フーデックスジャパン2021レポート
こんにちは。
フリーフロム株式会社の山崎です。
当社はこれまでプラントベース業界でプロモーションや商品プロデュースの支援をさせていただく等、食の多様性と地球環境の持続可能性の追求をしてきました。
今回は、先日行われた「フーデックス2021」のレポートをお伝えしていきます。
フーデックスジャパンとは?
「フーデックスジャパン」とは、アジア最大級の食品・飲料専門展示会です。
2021年はコロナ禍での開催となりましたが、4日間で来場者数は約25,000人を記録し、大盛況のうちに幕を閉じました。
(イベント会場では来場者への検温や除菌液の設置等、感染対策はしっかり施されていました)
日時:
2021年3月9日(火)〜12日(金)
10:00-17:00(最終日は16:30まで)
会場:
幕張メッセ(千葉県千葉市)
HP:
https://www.jma.or.jp/foodex/
2021年のプラントベース市場予測
近頃日本でも「代替肉」「ベジタリアン・ヴィーガン」に関連するニュースを見かける機会が増えてきました。
きっかけは間違いなく「インバウンド」でしたが、新型コロナウイルスによる自粛生活の中で、健康への関心が高まったことも、更に需要を高めた一つの要因と言えるでしょう。
ベジタリアンやヴィーガンの市場動向については以下の記事で詳しく解説しておりますので、ぜひご覧になってみてください。
2021年のベジタリアン・ヴィーガン市場予測 〜3つの視点で考える〜
https://fooddiversity.today/article_77490.html
今回行われたフーデックスジャパン2021でもプラントベース関連のブースが一際大きな賑わいを見せていました。
取材を終えた後の印象
①半年前の外食ビジネスウィーク開催時に比べて「代替肉」「ヴィーガン」を目的に来場している方が増加していた
②①に伴い「代替肉」「ヴィーガン」を展示した企業も増加していた
③一方で、「代替肉=大豆ミート」「ヴィーガンが食べるもの」という認識を持っている方が多い
次に、私が注目するプラントベース関連企業を紹介します。
オムニミート
香港発プランドベースミートの「オムニミート」は香港のマクドナルドや中国のスターバックスにも導入されたことがある、世界でも注目の代替肉です。
大豆やえんどう豆、椎茸、米からタンパク質を抽出する等、製法にこだわっているためか、豆特有の臭いもなく、いわゆる鶏ミンチのような食感・味わいで様々な料理に使用できる印象を受けました。
日本国内では「俺のイタリアン」や「俺のフレンチ」等で有名な”俺の”系列のレストランで採用されているようです。
Waygu(あづまフーズ株式会社)
今や居酒屋の定番メニューとなった「たこわざび」を世に送り出した、あづまフーズ株式会社からもプラントベースミートの出展がありました。
そして驚くことに、同社は先日当メディアが取り上げたカナダ発のヴィーガン和牛ブランドの製造元であることが判明。
詳しくお話を伺ったところ、今から8年前の2013年より欧米豪からプラントベースミートの製造依頼が同社に殺到しており、現在に至るまで製造ラインはフル稼働状態とのことでした。
プラントベースミートを取り巻く海外マーケットは今後もさらなる成長が期待でき、日本企業は如何に海外需要を取り込めるかが大きなテーマとなりそうです
SHOJIN PATTY(茂木食品工業株式会社)
群馬県下仁田町のこんにゃく製造メーカー・茂木食品工業株式会社からはこんにゃくと大豆を使用した代替肉が登場。
大豆以外にも様々な代替食材が増えてきており、それらを使用したハンバーグやソーセージ等、加工食品のプロダクト化も進んでいるそうです。
現在は国内を中心に販売しているそうですが、今後は海外展開も視野に入れていきたいとのことでした。
NOHEA(有限会社 三吉商店)
北陸で最初のにもやし製造業を始めた有限会社 三吉商店からはヴィーガンマヨネーズの展示がありました。
こちらはベースは豆乳ですが、隠し味にサツマイモを使用しています。
某有名ヴィーガンレストランのシェフからも好評のNOHEAは、現在マヨネーズ以外にも、小松菜、トマト、人参、玉ねぎドレッシングの展開が始まっています。
代替乳、代替卵の分野はヴィーガンのみならず、アレルギーの分野でも、今後注目を集めるでしょう。
現在の課題感
最後に、出展企業の方からお話を伺う中で感じた現在の課題をお伝えします。
①国内における人々のヴィーガン・代替肉へのイメージ
前述の通り「代替肉、ヴィーガン商品=ヴィーガンが食べるもの」という認識の方が多く、自ら商圏を狭めているマーケティング担当者の方が多数いらっしゃる印象を受けました。
ベジ・ヴィーガン製品を販売する上で最も重要な戦略の一つは「ネーミング」です。(ネーミングについては過去の記事でも解説しています)
「え、その商品ベジだったの?」と思われるくらい、いかに違和感なくノンベジタリアンの方々に商品を浸透させるかが、長期的な取り組みをする上で重要となります。
②海外展開の手段が分からない
多くの企業が海外進出を視野に入れてはいるものの、具体的な手立てがないという声を多数お聞きしました。
海外進出を考える上では、「香港発のプラントベース社会企業”Green Monday”」で紹介したような、海外のプラントベース市場の先駆者との連携を試みることが重要と感じます。
著者
山崎寛斗(やまざき・ひろと)
フリーフロム株式会社 代表
「プラントベースで日本と世界を繋ぐ」をテーマに事業を展開。 海外のプラントベース企業の日本誘致や訪日ベジタリアン向けメディアなどの事業を手掛ける。 著:東京食素!美味蔬食餐廳47選、關西食素!美味蔬食餐廳55選、東京および関西のベジタリアンガイドブックを台湾で販売中。
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