香港発のプラントベース社会企業 ”GREEN MONDAY”

昨今、ベジは食の多様性という社会的な面からの注目を集めると同時に、環境的な側面、また健康的なメリットも強く押し出されるようになりました。

背景には畜産業と気候変動などの国際環境問題のつながりが世界的に広く認知されるようになったことや、世界的な肥満の増加を始めとした食肉による健康リスクが顕在化していることがあります。

そのような動きをムーブメントとして盛り上げるとともに、多面的かつ新しいアプローチを用いてベジの世界で活躍している組織があります。

グループの名前はGreen Monday。緑色の月曜日と直訳できますが、Greenは英語圏では環境に良いことなどと近い意味を持っており、「今日はGo Greenでいく!」というような会話を聞くと「あぁ、今日はベジの食事をするんだな」と連想できます。

もうお分かりかと思いますが、Green Monday=月曜日はプラントベースの食事をしましょうというもの。

日本ではMeat Free Mondayという動きもありますが、その火付け役であるポール・マッカートニーも一緒にこのムーブメントを応援しています。

ポール・マッカートニー(左)とGreen Monday創設者デイビッド・ヤン(右)、2020年撮影

拠点は香港で、香港に行くと至る所にGreen Mondayのマーク。それだけベジを毎日の食事に取り入れようとする動きが広がっているようです。
でもなぜプラントベースを食べることと環境や健康が関わるのかいまいちわからないという人も多いかもしれません。

*プラントベース…英語は ”plant-based” であり直訳は植物を中心とする、植物性であることなど。一般的にベジタリアンやヴィーガンなどと呼ばれる動物性食品を使用していない食の総称として使われる。

プラントベースの健康的メリットは?

世界保健機関(WHO)は食品の発がん性について調査をしており、ソーセージ、ベーコンなどの加工された肉についてはグループ1、牛肉、豚肉などの赤肉(鶏肉は白肉になります)についてはグループ2と分類しました。

グループ1は発癌性が認められる、グループ2は発がん性の可能性が高いとされています。

グループ1は他にタバコやアスベスト、グループ2には除草剤やディーゼルエンジンの排ガスが含まれており、この発表は注目を集めました。

この事実に関してはあまり日本では認知されていませんが、欧米圏ではこれを理由に赤肉の量を減らす、食べないことは一般的です。他にも、食肉と糖尿病や心血管疾患などとの関連性についても警鐘が広まっており、Green Mondayはプラントベースの食事をすることでこれらのリスクを抑えられるとしています。

プラントベースの環境的メリットは?

去年、小泉首相が環境問題に関わる国際会議COP、において「ステーキを食べたい」という発言に注目が集まったのは、牛や羊などの反芻動物を飼育する必要のある畜産は環境負荷が高いためです。

環境負荷と言っても、具体的に何を指すのでしょうか?

例えば同じ量のタンパク質をとるのにも、大豆から摂取するのと牛肉から摂取するのでは、それらを育てるために必要となる土地や水などの投入量が大きく異なるようです。

同量のタンパク質で比較した際の、各食品の土地利用の値。黒字が必要な土地の広さで、赤字が大豆を1としたときの倍数。

他にも反芻動物から出るゲップやおならのメタンガスは、温室効果ガスの排出量の約6%、畜産業で見ると14.5%を占めておりこれ単体でも無視できる数字ではなくなってきているとのこと。

総括すると、食事をプラントベースにすれば健康だし、環境にも良いアクションということで注目が集まっており、そのムーブメントをさらに加速させているのがGreen Mondayというわけです。

Green Mondayの取り組み

Green Mondayはこれらのことについて「じゃあプラントベースに移行しましょう」と口でいうだけの組織ではなく、プラントベースへの移行を支援するための総合的なプラットフォームであり、その機能は様々あるようです。

レストランと提携して、メニューや店頭にGreen Mondayのメッセージを入れることで、食事を楽しみながら持続可能性について思考を巡らせる時間、空間を作ることができるレストランプログラムは、香港内に1,000件以上の提携店があります。

日本でもHappyCow で1位に輝いた菜道さんをはじめ、徐々に広がりを見せているようです(登録はこちらから)。

菜道の楠本シェフ(右下)メニューの一部に食について別の角度で考えることのできる文章を挿入(左下)

スクールプログラムでは、学生のプラントベースの取り組みを応援しており、若い世代の敏感なアンテナと行動力をさらに活発化させることで、プラントベースの食事を取り入れる動きを加速させています。

これまで世界中の1,000以上の教育機関と連携し、60万人以上の学生へアウトリーチしたとのこと。

他にもコーポレーションプログラムで企業のCSRとして企業内のプラントベースの推進を図ったり、個人がプラントベースへ移行することをチャレンジとして公表するGo Green@Homeなど様々あります。

しかし、Green Mondayの興味深い点は上記の活動を行う啓発中心のNPOではなく、他にもツールを持っているところです。

Green Mondayの他にも

常識を覆す「プラントベース専門」の小売兼飲食店チェーンを展開するGreen Commonは、香港内に今や10店舗を構えるまで成長。

日用品から何までプラントベース物が揃い、実際に消費者にプラントベースの選択肢を届けているそうです。

また、ここ数年でよく聞くようになったImpossible BurgerやBeyond Meatなどのプラントベースミートに並ぶ ”OmniPork” を開発、販売しているのも傘下のRight Treatというフードテックベンチャーです。言及したアメリカ初の牛肉ベースのものと異なり、豚肉をテーマにしている点や、欧米向けの味が元々強くついている米2社に比べると、味付けやアレンジのしやすさが好評のようです。

香港に進出している大手日系企業でも取り扱われており、日本にも上陸する日は近いか…!?

また、プラントベース系のスタートアップに投資するGreen Monday Venture Capitalは投資を通して上記の動きを加速させる役割を担っており、Beyond Meatにも出資しています。

 

このように多様なアプローチをとるGreen Mondayですが、これも全てこのムーブメントを一緒に盛り上げてくださる企業、レストラン、教育機関や一般消費者の方々あってのものとのことでした。

このムーブメントや上記の取り組みについてさらに知りたい方は日本語のFacebookページ、Instagramページがあります。
加えて、SNSだけではない取り組みに興味をお持ちの企業、レストラン、教育機関や公的機関、また市民の皆さんは下記の連絡先から問い合わせできるようです。

 

問い合わせ

Green Monday Japan事務局
Email: japan@greenmonday.org
Facebook: https://m.facebook.com/GreenMondayJapan/
Instagram: https://www.instagram.com/greenmonday.jp/