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浅草で開催されたフードダイバーシティセミナー

先日、浅草文化観光センターにて、台東区内の観光案内所・案内窓口・観光関連団体・宿泊施設・飲食店などの現場案内スタッフを対象にしたイベントが開催されました。参加者は20名に及び、外国人観光客への対応や集客について学ぶ貴重な機会となりました。

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セミナーと意見交換会の二部構成で開催

第一部:外国人対応および集客のポイントセミナー

講師を務めたのは、フードダイバーシティ株式会社のインドネシア人インフルエンサーNazaya Zulaikha。訪日外国人の目線から、日本の食文化の対応状況について解説が行われました。具体的には、以下の4つのテーマについて深掘りされました。

  1. フードダイバーシティ(⻝の多様性)の基礎知識
    • ベジタリアン・ヴィーガン・ハラール対応の基礎を整理し、なぜ対応が求められるのかを説明。
  2. 訪⽇客が求めている⻝とは?
    • 「こんなお店が喜ばれます」という具体的な視点から、外国人観光客に人気の飲食店の特徴を紹介。
  3. 対応店舗の検索⽅法
    • 外国人観光客がどのような方法で飲食店を探しているのか、活用されるアプリや検索手段を共有。
  4. 訪⽇客の⽴場で考えてみよう
    • 実際の訪日客の視点に立ち、「どんな対応が求められるのか?」を考えるディスカッション。

参加者からは「日本語で外国人インフルエンサーと話せる機会は貴重だった」との声が聞かれました。

第二部:現場スタッフ同士の交流ディスカッション

イベントの後半では、参加者同士が意見交換し、現場での悩みや課題を共有するディスカッションが行われました。以下のようなリアルな現場の声が寄せられました。

  • 「ゲストは季節ものを食べたいと言われるが、何をおすすめできるかわからない」
  • 「お店が対応できないため、残念ながら多くの場合、諦めていただいているのが現状」
    「仕方ないから部屋で自国から持ってきたカップラーメンを食べるよ」と言われ、本当に申し訳なく思っている。

また、多くの訪日客は事前にアプリなどで情報を収集しているにも関わらず、最終的に案内所で質問するケースが多いことも共有されました。これにより、ガイド側のキャッチアップが追いついていない実態が浮き彫りになりました。

今後の課題と期待されるアクション

今回のイベントでは、現場の最前線で働くスタッフが直面するリアルな課題が共有されるとともに、具体的な対応策についてのアイデアが飛び交いました。

外国人観光客の「⻝」に関するニーズは多様化しており、対応するためには事前の情報収集と、現場での臨機応変な対応が求められます。今後、案内所や宿泊施設、飲食店が連携し、より実践的な情報共有の場を増やすことが求められるでしょう。

今回のイベントのように、実際に現場の声を交換しながら解決策を考える場が増えることで、訪日客の満足度向上につながることが期待されます。