奄美市内の飲食店・宿泊施設向けセミナー
2025年3月3日、鹿児島県・公益社団法人鹿児島県観光連盟が主催で「令和6年度フードダイバーシティセミナー」が鹿児島県大島支庁にて開催され、奄美市内の飲食店、宿泊施設関係者が20名参加しました。
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プログラム
「令和6年度フードダイバーシティセミナー」(120分)
講師:フードダイバーシティ 株式会社 代表取締役 守護 彰浩
質疑応答
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当日の様子
奄美大島で求められるフードダイバーシティ対応とは
まず、弊社代表守護からは世界のフードダイバーシティ市場や、それぞれの言葉の定義、日本に来る旅行者のニーズ、奄美大島に来る旅行者のニーズ、具体的に使用できる食材や調味料の選び方、さらに違いよりも共通点を見て考える必要性が語られました。
ヴィーガンやハラールなどの分野は「難しそう」と思われがちな分野で、ハラールメニュー、ヴィーガンメニューといった形でそれぞれの専用メニューを作るとオペレーションも含めて大変になりますが、共通点を整理して「みんなが食べられるもの」を一般メニュー化しておくことで、調理現場のストレスや料理工程が大幅に削減されることが説明されました。
さらに、奄美の食材や食文化を生かした以下のヴィーガンメニュー案についても解説が行われました。
1. 龍郷味噌を使った発酵スープ
奄美の伝統発酵食品「龍郷味噌」を活かし、昆布や干し椎茸のだしと合わせた発酵スープを開発。地元の島野菜(島人参、ハンダマなど)をたっぷり入れると栄養満点。
2. 奄美黒糖を使ったスイーツ
奄美特産の黒糖を使い、黒糖プリンや黒糖バナナブレッドを作る。特に、黒糖×ココナッツミルクの組み合わせは南国風の味わいにぴったり。
3. パパイヤカレー
青パパイヤを細切りにし、ココナッツミルクとスパイスで煮込んだヴィーガンカレー。パパイヤは加熱するとホクホクした食感になり、ボリューム感が出る。
4. 奄美産モリンガを使ったスムージー
「奇跡の木」とも呼ばれる栄養価の高いモリンガを活用し、バナナやマンゴーとブレンドしたモリンガスムージーを提供。健康志向の旅行者にも喜ばれる。
5. 島豆腐のステーキ
奄美の島豆腐をしっかり水切りし、スパイスやハーブでマリネしてグリル。黒糖バルサミコソースをかけると、コクのあるステーキに。
6. 奄美の紫芋を使ったタルト
鮮やかな紫色の「島紫芋」をペースト状にして、ココナッツミルクと混ぜたタルトフィリングに。自然な甘みと濃厚な風味が楽しめる。
7. ミキを活かしたヨーグルト風デザート
米・サツマイモ・砂糖を発酵させた奄美の伝統飲料「ミキ」を、ナッツミルクと混ぜてヨーグルト風にアレンジ。フルーツをトッピングするとヘルシーな朝食に。
8. 奄美の塩とシークワーサーのサラダ
奄美の天然塩と、シークワーサー果汁、オリーブオイルを合わせたドレッシングで、地元野菜のサラダを楽しむ。シンプルながら素材の味が際立つ一品に。
9. 油ゾーメンのヴィーガンアレンジ
奄美のソウルフード「油ゾーメン」を、肉の代わりに島豆腐やパパイヤを加え、旨味たっぷりの醤油ベースの味付けにする。
10. 生あおさと島野菜のペペロンチーノ
奄美の「生あおさ」をたっぷり使用し、島野菜を添えたパスタ。ベジタリアンなど関係なく人気メニューになる。

このように見ると、シェフの負担が大きい

共通点を見る考え方

ペペロンチーノはベーコンをキノコに変更するだけで多くが食べられるようになる
参加者からは「奄美大島の食材や食文化を生かしてメニューがたくさん作れることがわかった。」「これまで難しく考えていたけど、すぐにできることがたくさん見つかったので、すぐに実践していきたい。」などの声が上がりました。
今後も鹿児島県・公益社団法人鹿児島県観光連盟としては、食の多様化に関する事業を推進していく予定とのことです。