土器が引き出す野菜本来の力を堪能
東京・牛込神楽坂にある「SAIME(サイメ)」は、ヴィーガンレストランという言葉だけでは表現しきれない独自の世界観を持つレストランです。
店名の由来は、
- SAI=野菜
- ME=新芽
野菜が持つ生命力や自然の循環を表現した名前です。
同店が掲げるコンセプトは「縄文料理」。土器で調理し、土器で提供するという独自のスタイルを通じて、素材本来の味わいを引き出しています。

土器が引き出す、野菜本来の旨味
SAIME最大の特徴は、素焼きの土器を使った独自の調理法です。
土器は使用前に一晩かけてじっくりと水を含ませます。十分に水分を蓄えた土器を炭火にかけることで、その水分がゆっくりと熱を伝え、野菜をやさしく蒸し焼きにしていきます。
一般的な調理では、食材の水分を飛ばしながら旨味を凝縮させることが多い一方、土器調理では素材が本来持つ水分を保ちながら火を入れることができます。そのため、野菜のみずみずしさや香り、食感をより豊かに感じることができます。
また、調理には油を一切使用しません。余計なものを加えず、素材そのものが持つ力や個性を最大限に引き出すことを大切にしています。まるで野菜そのものを味わっているかのような、力強くも繊細な味わいを楽しめるのがSAIMEの魅力です。
「畑をそのまま持ってくる」という考え方
SAIMEが考える縄文料理とは、単に昔の料理を再現することではありません。作物が育った土地の土で器を作り、その器で食材を調理する。そこには、「畑をそのまま食卓へ運ぶ」という考え方があります。
大切にしているのは、素材に余計な手を加えず、その土地が育んだ力や季節の恵みをありのままに感じてもらうこと。食を通じて自然とのつながりを見つめ直し、忘れかけていた感覚を呼び覚ますことを目指しています。
使用する野菜の多くは、日本各地の契約農家から直接仕入れています。農薬や化学肥料に頼らず育てられた野菜は、一つひとつ個性が異なります。その個性を活かすため、味付けは天然塩や味噌を中心にできる限りシンプルに。素材本来の香りや甘み、食感を引き出しながら提供しています。
ヴィーガンやグルテンフリーのお客様から支持される理由
SAIMEでは、お野菜を中心としたコースを提供しており、ヴィーガンやグルテンフリーといった食のルールに対応しています。特に、台湾からの旅行者に多い五葷対応や、欧米からのヴィーガン旅行者への対応実績が豊富で、国内外から多くのお客様が訪れています。
海外からの来店客は、Instagramや口コミ、紹介をきっかけに訪れることが多く、食を通じて日本の自然や文化を体験できる場所として支持を集めています。
コース内容(※季節や食材の入荷状況によって内容が異なります)
料理長より、それぞれの食材や料理についてご説明いただきました。以下、原文をもとにご紹介します。
菊芋(千葉)
約4時間火入れ
時期的には終わりに近く味わいが強くなっています。
にんじん(茨城)
2時間ほど火入れ
葉っぱも柔らかく小ぶりではあるが香りがよく程よい甘み
カブ(千葉)
4時間ほど火入れ
溢れるほどに瑞々しく甘い
青山在来大豆(埼玉)
塩水で3日かけてゆっくり戻しています。
甘みの強い品種、程よい食感
スナップエンドウ(茨城)
鮮度抜群、青臭さはなく爽やか
じゃがいも(北海道)
5時間ほど火入れ
2年熟成、甘味が強い
玉ねぎ(茨城)
5時間ほど火入れ
小ぶり。食感がしっかりあり甘さもあるが玉ねぎの風味を強く感じられる。
お粥
たもぎ茸をベースに、その日お召し上がりいただいた野菜から出汁を取り、炊き上げています。
お米は黒米・赤米・緑米を使用し、野菜も刻んで加えています。
お味噌汁
舞茸、じゃがいも、カブ、青梗菜、大根、菊芋、新玉ねぎ、ルッコラを使用しています。
漬物
カブ、カブの葉
デザート 本わらび餅
本来のわらび餅は、本わらび粉・水・砂糖で作られますが、当店では水の代わりに野菜の出汁を使用しています。
人参から取った出汁を練り込み、本わらび粉、野菜出汁、奄美大島の黒糖で仕上げています。
出汁の甘みを活かすことで、砂糖の使用を抑えています。
仕上げに黒千石大豆のきな粉と、奄美大島の黒糖の黒蜜をかけています。
温かいお茶
長野県産のクロモジ茶を使用しています。
生産地を訪れ、収穫のお手伝いをさせていただきました。

一皿に宿る、日本の自然観と季節の恵み
便利さや効率が重視される現代において、SAIMEが目指しているのは、その流れとは異なる価値観です。
野菜と丁寧に向き合い、土器の状態を日々管理し、生産者との信頼関係を育みながら、一皿の料理をつくり上げていく。その積み重ねが、SAIMEの料理の土台となっています。提供される料理には、日本の自然観や季節の移ろい、そして食文化の原点ともいえる考え方が息づいています。
ヴィーガンを含めた食にルールがある方だけではなく、日本ならではの食文化をより深く体験したい方にも、ぜひ訪れていただきたい一軒です。
店舗情報
店名:SAIME(サイメ)
Google Maps:https://maps.app.goo.gl/HiQkJhDTw91UB8yYA
営業時間:17:00〜22:00
野菜コース:11,000円(税込)
※前日までの予約推奨
定休日:日曜日・第3週月曜日
電話番号:03-6824-4918
予約:https://www.tablecheck.com/ja/saime/reserve/message
Instagram:@saimez_0626
