世界の食品分野の動向から考える日本に求められること
2024年3月10日(月)、IUFoST-Japan(国際食品科学技術連合・日本支部)主催の「9th Food Science and Technology Conference (Current Status and Future Prospects of Inbound Tourism and Global Markets)」が開催されました。
本学会では、日本の食品市場とグローバル市場における最新の動向や今後の展望について多角的な議論が交わされ、フードダイバーシティ株式会社から横山が登壇し、「10Xマーケティングと食の多様性対応」をテーマに講演を行いました。
食の多様性対応が日本の食品市場を成長させる糧に
本講演では、日本の食品市場が食の多様性を受け入れることでどのように成長できるかについて、データと実例を交えながら解説されました。横山は冒頭、「日本の食品市場は、食の多様性に適応することで、現在の市場規模の10倍に拡大する可能性を秘めている」と述べ、その背景としてグローバル市場の変化を挙げました。
また、横山は以下の3つの主要ポイントに焦点を当て、具体的な事例とともに説明しました。
①市場の拡大を促すための10Xマーケティング戦略
10Xマーケティングとは、単なる市場拡大ではなく、消費者の多様なニーズに応じた革新的なビジネスモデルの創出を指す。
食の多様性に対応することで、既存市場の枠を超えた新たな市場を開拓できる。
②訪日客と海外消費者の動向
訪日外国人観光客の増加とともに、食の多様性対応を求める声が高まっている。
海外市場では、日本食レストランの急増や、日本産食品への関心の高まりが見られ、これをビジネスチャンスとして捉える必要がある。
③日本の食品市場を活用したグローバル戦略
「日本市場だけでなく、世界市場を視野に入れるべき」とし、食品輸出と現地市場への進出の重要性を強調。
具体的な成功事例として、日本産食品を活用した海外展開や、多国籍企業との連携事例を紹介。
データを基にした成長戦略の重要性
横山は、「訪日客の期待、海外市場での日本食レストランの増加、日本の食品輸出額の推移を分析すれば、戦略は自ずと定まる」と指摘し、日本企業にとって食の多様性対応が大きな成長機会になることを強調しました。また、単なるマーケットの拡大ではなく、データを活用したマーケティング戦略が必要であるとし、成功事例の分析を通じて、日本食品市場の可能性を示しました。
加えて、「国内市場に固執するのではなく、グローバル市場への適応力を高めることが重要である」とし、日本企業が「インバウンド市場を活かして海外市場へ」という視点を持つことで、大きな成長が可能になると述べました。
アカデミックな機会を通じて、食の多様性対応が日本の食品市場に与える影響への理解が深まり、今後のビジネス戦略においても重要なテーマとなることが改めて確認されました。さらなる議論の深化と具体的な取り組みの進展が期待されます。