Road to One Table.

皆さんこんにちは。
Food diverstiy.todayにて、アレルギーについての記事を書かせて頂いている香川です。

卒業論文
食物アレルギーの私がお店に求める3つのこと
みんなのテーブル記 第1弾:自由が丘菜道
みんなのテーブル記 第2弾:カレーハウスCoCo壱番屋
みんなのテーブル記 第3弾:クリスマスケーキ2020はどう選ぶ?コンビニ4社比較レポート
アレルギー持ちがよく聞かれることベスト3
みんなのテーブル記 第4弾:hal okada vegan sweets lab
みんなのテーブル記 第5弾:信州そば あずみ野@羽田空港
みんなのテーブル記 第6弾:Le Paysan@香川・善通寺
みんなのテーブル記 第7弾:Universal Bakes and Cafe@世田谷代田

今回は、元麻布にある「EPICURE」というレストランをご紹介します。このレストランでは、「ケアリングフード」という、1つのテーブルを様々な人たちが気兼ねなく笑顔で囲めることを目指して生まれたお料理を頂くことができます。あらゆる料理のカテゴリー、意向、理念などの諸要素を組み合わせて、一人ひとりが満足できるお食事を提供されています。
例えば食制限といっても、好き嫌い、アレルギー、ヴィーガン、ローフード、糖尿病、グルテンフリーなど様々です。制限だけではなく、日本食が好きな方もいればイタリアンが好きな方もおり、嗜好も多岐に渡ります。そのすべての需要に応えられるような、自分だけのお料理を楽しめる特別なレストランだと思います。

私がとても安心できると感じたポイントは、webから予約する際、詳細に要望を入力できる欄があったことです。日常的にあらゆる食制限に対応されていることが分かる予約画面だったので、レストランに訪れるにあたって初めてwebとメールのやりとりのみで予約を終えました。不安が残っていたら必ず電話で詳細をお伝えして、完全にご対応いただけるか伺うのですが、その必要はないと感じる質問項目でした。この「不安を抱かせない」ことが、アレルギー対応においては非常に重要だと私は考えています。

アレルギーに関してもコンタミについて言及されていたり、ヴィーガンも、五葷まで抜くオリエンタルベジタリアン、肉のみ食べないペスカタリアンにまで分類されていたりします。糖質制限や低たんぱくもグラム単位で対応していただけることや、グルテンフリーやハラールやアスリートまで、様々な対応が可能であることがこの画面ですぐに分かりました。 

アレルギーに対しては、茹で湯、調理器具、調味料にまで気を付けてくださり、完璧にコンタミネーション(混入)を防いでくださいました。私は微量のアレルゲンでも反応してしまうのですが、最後まで全く気分が悪くなることなくお食事を楽しむことができました。また、お気遣いとして感動したのが席の配置です。アレルギーは、アレルゲンの匂いで気分が悪くなることも少なくありません。皆が良い匂いだと思うパン屋に入っても、学校給食の時間でも、飲食店が立ち並ぶ通りを歩いていても、匂いで気持ち悪くなってしまうことがあります。また、もし向かいの人のお料理が飛び散ったら…という危険もあり、それに注意を向けながら食事を取るのも大変です。しかしこれは意外と気付かれない部分でもあり、なかなか相手にも言い出しづらいことでもあります。このレストランは、何も言わずともそこにまで気づいてくださり、風通しの良い席、また私のアレルゲンが飛び散る危険性のない席にと案内していただきました。

今回のオーダーは3つ

①食制限なし
②オリエンタルヴィーガン
③アレルギー

の3人で伺ったのですが、一人ひとりに合わせたお料理が出てきた上に、料理提供のタイミングに大きなズレもなく、みんなでそれぞれの食べたいものを食べながら1つのテーブルを囲むことができ、これが私の理想とするレストランの形だと感じました。

アミューズ:カリフラワーと豆乳のポタージュ

生クリーム等の乳製品は一切使用されていません。とても食べやすく、豆乳を感じさせない美味しさでした。トリュフも添えられています。

しまあじと季節野菜のカルパッチョ

お野菜、ハーブ、シマアジ、優しく炊いた赤かぶ、バジルの香りをうつしたカプチーノ、豆乳で作った泡。それらに軽く粗塩が振られていました。どれを食べても、一つひとつ丁寧に作られていることが分かります。特にこのシマアジが今まで食べたアジの中で一番美味しくて、その日入荷した一番美味しい食材を提供してくださっていることが分かる一皿でした。血糖値が上がりにくくする工夫もされており、糖質制限されている方も安心して食べていただける食事の順番になっています。

グルテンフリーの大豆のパン

こちらのバターは今までに同様の作り方をされているところがなかったそうで、作り方などの製造方法や、バター自体にも特許を取られています。EPICUREでしか食べることのできない特別な豆乳のヴィーガンバターです。

おからのグルテンフリー麺


これもなんと普通のスパゲッティよりも糖質が半分だそうです。グルテンフリー麺というのにも驚き。普段食べているパスタと違いが感じられませんでした。スズキの燻製ときのこ3種類が入っていましたが、スズキの美味しさ、きのこの食感を最大限に味わうことができました。

イベリコ豚のベジョーダ

ベジョーダとはスペイン語でドングリという意味で、放牧されてドングリをたっぷり食べて育ったイベリコ豚をベジョータと呼ぶのだそうです。腸内環境にやさしい味噌のソースで、おからを使用したグルテンフリー、ヴィーガン、糖質オフの野菜の天ぷらは、さっぱりしておりとても食べやすかったです。

デザート


豆乳のホイップがふんだんに使われており、中はヴィーガンバターを使ったクッキー生地、焼きリンゴ、米麹甘酒とココナッツミルクを使用したヴィーガンアイスでした。5分とかからず平らげてしまう食べやすさと美味しさで、最後までアレルギーだということを意識せずにお食事を楽しむことができました。

ドリンク


今回は、ノルマンディのりんごジュース、砂糖も薬も不使用のオレンジとレモンの生絞り、マキベリーとクランベリーとレモン果汁のジュースをいただきました。飲んでみたかったドリンクに不安な点があったのでお伝えすると、即座にアレンジして出してくださり、対応の速さにも驚きました。

これまでは、メニューの中から食べられそうなものを選んで注文していたので、外食でここまで完璧なオーダーメイドできると思ってもいませんでした。一人ひとりに寄り添ったお食事をシェフがたった1人で作っておられるのですが、色んなタイプの料理をコンタミネーションにも注意しながら完璧に提供する凄さは何と表現すれば良いのかわかりません。様々な食制限に悩んでいる方にも、自分だけのために作られたお料理が食べてみたい!という方にも、どんな人にでもおすすめできるレストランに巡り合えました。

お料理の詳細を聞いても完璧に答えてくださること、予約の際から店を出る瞬間まで細かく丁寧に不安を感じさせず対応してくださることなど、お店の方を信用して心からお任せできることが、何よりも食事への安心につながるのだと実感した1日でした。

店名 エピキュール(EPICURE)
住所 〒106-0046東京都港区元麻布2-1-17 モダンフォルム 1F
営業時間 Lunch 11:00-14:30(L.O 13:00)
Dinner 17:30-22:00(L.O 20:00)
Tel 03-5422-7454
ウェブサイト https://epicure-low.com/