みりんの果たす役割を考える

食の多様化を支援するフードダイバーシティ株式会社の守護です。

ハラールに対応する際は「みりん」が使用できませんが、弊社には「みりんの代用はどうすればいいでしょうか」という質問が多く寄せられます。本記事ではその代用品について解説を行います。

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みりんの役割は料理によって異なる

そもそもみりんの役割はそれぞれの料理によって異なりますが、大きくは4つの役割があります。漠然にみりんの代用を聞かれたとしても答えることは難しく、「作ろうとしている料理のみりんの役割」を分解しないと、代用品は見えてこないと私は考えています。

①コク
②あまさ
③照り
④臭み消し

以下に代用品の一例を出しますが、こちらについては料理をする人や地域によって様々な答えがあって然りだと思います。

コクを出すために(一例として)

白味噌、豆乳、黒糖、甘酒、ごま油など

あまさを出すために(一例として)

砂糖、ハチミツ、デーツシロップ、メープルシロップ、甘酒など
デーツクラウンのデーツシロップを選択する飲食店が近年増えています(業務用もあり)

照りを出すために(一例として)

ハチミツ、砂糖水、卵黄、コーンシロップなど

臭み消しのために(一例として)

生姜、にんにく、レモン汁、りんご酢

まとめ

ハラールに関してみりんの代用品を考える際は、目的に応じて異なる素材を組み合わせることがポイントです。みりんの役割である「コク」「照り」「あまさ」「臭み消し」の4つの要素を意識し、それぞれの役割を果たす食材・調味料を適切に選ぶことで、味を変えずにハラール対応の料理を作ることができます。

著者

守護 彰浩(しゅご あきひろ)
フードダイバーシティ株式会社 代表取締役
流通経済大学非常勤講師

1983年石川県生まれ。千葉大学卒業。2006年に世界一周を経験後、2007年楽天株式会社に入社し、食品分野を中心に様々な新規事業の立ち上げに関わる。2014年、多様な食文化に対応するレストラン情報を発信する「HALAL MEDIA JAPAN」を立ち上げ、フードダイバーシティ株式会社を創業。ハラールにおける国内最大級のトレードショー「HALAL EXPO JAPAN」を4年連続で開催し、国内外の事業者、及びムスリムを2万人以上動員。さらに2017年からはハラールだけでなく、ベジタリアン、ヴィーガン、コーシャ、グルテンフリー、アレルギーなどに事業領域を広げ、全国自治体・行政と連携しながら普及のための講演活動、及び集客のための情報発信を行う。2020年には総理大臣官邸で開催された観光戦略実行推進会議にて、菅総理大臣に食分野における政策を直接提言した。著書に「開国のイノベーション」(株式会社スリースパイス)。

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