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広島といえば、厳島神社や原爆ドームといった世界遺産が有名ですが、牡蠣や穴子飯等、絶品グルメを求めて多くの美食家たちが集まるグルメタウンとしても知られています。

中でも抜群の人気を誇るのが広島のソウルフード「お好み焼き」です。従来のお好み焼きは豚肉や鰹節といった動物性の食材を使用するものが多く、ヴィーガン対応のお好み焼きを見つけるのは至難の業でしたが、近年のヴィーガンニーズの高まりによって、ヴィーガン対応のお好み焼き屋が年々増加しているようです。

広島駅周辺のベジタリアンレストランの様子(HappyCowより)

今回フードダイバーシティトゥデイの取材班はお好み焼きの聖地広島へヴィーガンお好み焼きの取材に行ってきました。

お好み焼きの作り方を学べる体験スタジオOKOSTA(オコスタ)

今回の取材では「OKOSTA(オコスタ)」の皆様にお世話になりました。

OKOSTAは「お好み焼き」の食文化を世界に発信することを目的に、2018年10月に「お好みソース」でおなじみのオタフクソースがオープンしたお好み焼き体験スタジオです。当体験スタジオでは、オタフクソースのスタッフさんから、お好み焼きの作り方を教わることができます。

広島駅併設のため街観光の前後に立ち寄るのに最高の立地です

店内には広々とした鉄板がありました

お好み焼きを焼いた経験がない人でも上手に焼けるように、工程を1つ1つ丁寧にレクチャーしてくださるので、初心者の方も安心です。

それでは早速当日の体験レッスンの様子をお届けしたいと思います。

そもそもお好み焼きって?作り方のポイントは?スタッフさんが英語で教えてくれます!

関西お好み焼き

広島お好み焼き

お好み焼き(おこのみやき)とは英語で「Japanese pancakeやJapanese pizza」と表現されることも多いですが、小麦粉と鶏卵、キャベツなどを使用する”鉄板焼き”の一種と言われています。

お好み焼きというと関西(大阪、兵庫など)や広島を思い浮かべる方が多いと思いますが、それもそのはず、日本全国には16,000店程のお好み焼店があり、大阪府、兵庫県、広島県の3府県の店舗数で全国の約4割を占めると言われています。(出典:総務省・経済産業省 平成28年経済センサス 活動調査より(詳細リンク))

しかし興味深いことに、それぞれの地域によってお好み焼きに対する考え方が異なります。
一言で表現するならば、「混ぜる関西、重ねる広島」という違いがあります。

関西のお好み焼きは生地に材料を混ぜ込みます。キャベツ、青ねぎ、イカ、むきえびなど、具材は時によって違いますが、薄力粉を出汁で溶いた生地の中に基本的な具材を混ぜ込んでから、一緒に焼いていきます。

広島のお好み焼きは具材を生地の中に混ぜ合わせず、まず生地をのばし、薄く焼きます。その上にキャベツの千切り、もやし、豚肉、焼きそば、卵などを重ねて焼く、「重ね焼き」という作り方です。

もちろん今回は広島の取材のため、広島お好み焼きに挑戦しました。

安心のヴィーガン対応

こちらが今回使用した食材一覧です。お好みソースやマヨネーズはもちろん、焼きそばの麺や生地まで、全て動物性フリーなので安心です。

日本のベジタリアン団体推奨の「有機お好みソース」

OKOSTA運営元のオタフクソース社は「小さな幸せを、地球の幸せに。~BORDERLESS HAPPINESS~」をスローガンに掲げており、ヴィーガンやムスリムフレンドリー対応など、フードダイバーシティ対応も積極的に行なっていました。

早速体験スタート!

体験前にまずはエプロンと帽子をセット。これで準備完了です。

エプロンや帽子は全て支給されます

手ぶら参加で問題ありません

まずは生地を鉄板へ注いでいきます。注ぐ場所や生地の伸ばし方一つで見栄えの良い綺麗な生地になるかの命運を分けます。

スタッフの方は英語対応可能

生地が固まった後はキャベツやもやしをお好みの量でトッピング。そこに塩胡椒で味付けをし、大豆ミートを足していきます。

ここで最大の難関「ひっくり返し」の時間がやってきました。この記事ではあえて詳細の説明は省きますが、「必ずうまくいく」という裏技を教えて頂きました。

綺麗にひっくり返すことができました

この後は大豆ミートやキャベツを蒸らしている間に焼きそばを焼き上げていきます。

キャベツの方をある程度蒸した後、焼きそばと合体させます。これこそが前述した「広島お好み焼き=重ね焼き」と呼ばれる所以です。

焼きそばを野菜と合体させた後はもう一度ひっくり返し、その上から仕上げのお好みソースとマヨネーズ、青のりを順番にトッピングしていきます。

オコアート(お好み焼きアート)を楽しむことができます

焼いた後はもちろん食べられます!

これにて完成です!広島お好み焼きはヘラで食べるのがポイントだそうです。体験終了後の感想ですが、自分で焼いたお好み焼きは美味しいのはもちろん、その過程が面白く、訪日旅行時の忘れられない思い出の一つになるのではないかと感じました。

ヘラで食べるのが難しい場合はお箸の用意もあります

その他お土産も販売していました

記事内に出ていた「有機お好みソース」を始め、各種お好み焼きの材料やソース類など、お土産も販売されています。自国に帰った後、今度は自分で作ってみて、親戚や友人をおもてなしするのもまた粋な体験になるかもしれませんね。

コロナが落ち着いて日本への渡航ができるようになった際は是非ともOKOSTAへお好み焼き体験をしに行かれてみてはいかがでしょうか?

【店舗情報】
広島駅お好み焼体験スタジオ OKOSTA-オコスタ-
住所:広島県広島市南区松原町1-2  広島駅ekie内
予約電話:前日・当日 082-207-1277(受付時間 10:00〜20:00)
予約サイト:https://www.otafuku.co.jp/laboratory/event/okosta_eng.html#taiken

【本取材の背景】
今回の取材は農林水産省が実施する「食かけるプロジェクト」の一環で行われました。
当プロジェクトは訪日中に食に関わる体験をした外国人が帰国後も日本の食を再体験できるような環境整備を図り、日本産農林水産物・食品の輸出拡大につなげていくことを目的にしています。