オーストラリアで主にベジタリアンとヴィーガンの食市場を見てきました

皆さん、こんにちは。フードダイバーシティ株式会社の守護です。

最近弊社には毎日のように飲食店様、宿泊施設様からラグビーワールドカップ対策におけるベジタリアン、ヴィーガンの問い合わせが来ます。
もちろん飲食店様、宿泊施設様だけでなく、実際のコンシューマーからも「どこで食べればいいですか?」と多く連絡を頂くのですが、その割合が高いのは実はオーストラリア人です。
そして訪日および在住ベジタリアン、ヴィーガンにとても人気な自由が丘の菜道さんでも、「やたらとオーストラリア人のお客様が多い」という話も以前より聞いていました。

弊社では飲食店様に対してベジタリアン、ヴィーガンなどの対応サポートが一通り対応できるものの、実際にオーストラリア人が「求めているもの」は何だろうということで、色々情報を探してみるもピンとくるものはなく、もう「現場を見るしかない!」ということで今回オーストラリアへ行ってきました。ちなみに正確な数字はないものの、オーストラリアのベジタリアン、ヴィーガン比率は10%以上と言われており、日本としても非常に重要視しなければいけない市場だと思います。

本文はデータなども一通り目を通していますが、あくまでも私が現場で見たもの、感じたものを中心に書きます。

インドレポートはこちら
ニューヨークレポートはこちら

オーストラリアについて

私個人では今回で2回目のオーストラリアとなりました。
私が世界一周していた2006年以来でしたが、当時1豪ドル100円くらいのところ、今回1豪ドル72円で結構な円高を感じました。

一応数字上で宗教を見ると下記の通り。
キリスト教(52.1%:カトリック〔22.6%〕、聖公会〔13.3%〕が2大宗派)、イスラム教(2.6%)、仏教(2.4%)、ヒンズー教(1.9%)、ユダヤ教(0.4%)、無宗教(30.1%)等
出典:JETRO

ちなみに世界最大のベジタリアンレストラン検索アプリHappy Cowは、どこで開いてもこんな感じです。

さて、早速見ていきましょう。

ファーストフードについて

オーストラリア人は日本に来てまずはここに驚く!?

まずこちらをご覧くださいませ。こちらはオーストラリア最大のハンバーガーチェーン「Hungry Jack’s」ですが、ヴィーガンメニューがど真ん中にドーンとあります。ここでまずニーズの高さが分かります。

そして次にこちらをご覧くださいませ。

ここで重要になるのは2点です。

・価格は全く安くないということ(ほかの商品と比較して)
・カロリーも決して低くないということ(1kcal=4.2kj)

健康志向が多い日本人ベジタリアン、ヴィーガンのイメージとは違うのがここで分かりますし、且つ日本では「ベジタリアン、ヴィーガンは値段を上げにくい」とお考えの飲食店様も多い中、価格についても考え方が違うのが分かります。

また下記は別のお店ですがとても興味深い取り組みです。Dietary Optionsとして下記のようにローグルテンの生地や、ヴィーガンチーズへの変更が選べるようです。
グルテンフリーじゃないのも注目ですが、これはなんとなくグルテンや動物性を控えようという方々向けではないでしょうか。ただし少しの工夫で追加料金がいただける素晴らしい取り組みだと思います。
※ちなみにこちらのお店は全てハラールです。

そしてもちろんHungry Jack’sだけでなく、多くのファーストフード店にはベジタリアン、ヴィーガンメニューは当たり前にあるイメージで、ないところのほうが少ないのではと思うくらいです。
このままではラグビーワールドカップ期間中(だけではないですが)日本のファーストフード店で対応メニューがなくてガッカリするオーストラリア人が本当に多く出そうです。

様々なお店のベジタリアン、ヴィーガンメニュー

レストランについて

シドニー1の人気レストランは飲茶

シドニーでHappy cowレビューが一番多いお店Bodhi restaurantへ行ってきました。
このレストランはフルヴィーガンです。ずっと行列できていましたが、お客様の5割くらいがベジタリアン、ヴィーガンとのことで、スタッフも数人しかベジタリアン、ヴィーガンはいないようです。
これを教えてくれたスタッフは「I’m a weekly vegan」と言ってました。

シドニーは既に多くのお店でベジタリアン、ヴィーガンメニュー対応はしているものの、このようなアジアスタイルのヴィーガンレストランは少ないから人気になるとのことでした。ここポイントですね。逆にいうのであれば、現地食のベジタリアン、ヴィーガンメニューには慣れ過ぎていて、今オーストラリア人は世界のベジタリアン、ヴィーガンメニューを求めているのではという仮説を考えました。そうなると自由が丘菜道さんに多くのオーストラリア人がいくこともとても納得できます。

ラグビーワールドカップは日常食としてのカジュアルベジタリアン、ヴィーガンメニュー、そして日本として戦略的に攻める(挑戦して頂く)和食のベジタリアン、ヴィーガンメニューともに重要だと思います。

味は「少しの違和感で食べられた」という感想でしたが、正直ここは日本のベジタリアン、ヴィーガンレストランが圧倒的に美味しいです(私が日本人だからかもしれませんが)。
ちなみに肉まんは「チキンとポークとビーフどれにする?」と言われました。このサービスは個人的に結構面白いと思っています。

シドニーで人気No1、Bodhi restaurantのメニュー

一風堂の対応

一風堂シドニーのメニュー

一風堂のヴィーガンラーメン

シドニーの一風堂もベジタリアンメニューあり。
ベジタリアン表記だったので「ヴィーガンですか?」と聞くと「ヴィーガンです」と言われました。そしてここでも値段は16豪ドルとそんなに安いものではないことが分かります。
「どれくらいの方がベジタリアンメニューを注文しますか?」と聞くと1割強とのことで、さらに「グループに1人2人いるので、そこでの利用が多い」とのことでした。
日本もここがとても重要で、、、グループに1人対象者がいたらグループまるごと取れる市場であることを理解して取り組むべきです。
味はトリュフがとても効いたスープで、ルッコラ、トマト、レッドオニオンの具もしっかりと調理されていてとてもおいしく頂けました。麺も普通の一風堂の細麺ではなくもちもちしている太麺を使用していました。さすが一風堂さん!という感想です。
是非とも日本でもやってほしいと思います。

鼎泰豊の対応

鼎泰豊シドニーのベジタリアン、ヴィーガンメニュー

鼎泰豊シドニーの全メニュー

台湾から世界に広がった鼎泰豊でもベジタリアン、ヴィーガンメニューをしっかりと対応。
台湾でもベジタリアンメニューを見ましたがメニューはとても少なく、控えめな打ち出し方でしたが、シドニーのほうはメニュー数も圧倒的に多く、店頭にしっかりと打ち出していました。
台湾は中華のベジタリアン、ヴィーガン対応レストランが本当に多いので、鼎泰豊のような有名どころはあまりベジタリアン、ヴィーガンメニューを推す必要がないのかもしれません。
更にベジタリアン、ヴィーガン表記に加えてネギとニンニクの素食表記もしっかりとされていました。ちなみにネギは「Onion」ではなく「Shallot」となっています。
味はとてもおいしかったですが、タンタンメンはトッピングの寂しさが気になったというくらいです。

スーパーマーケットについて

さて、スーパーマーケットはColes(コールス)とWoolworths(ウールワース)の2つに行ってきました。詳細は下記をご覧頂きたいのですがポイントは4点です。

・ベジタリアンとヴィーガンという言葉を完全に使い分けている点
・プラントベースドコーナーもありますが、コーナー以外にもたくさん対応商品はある
・ベジタリアンやヴィーガンは動物愛護、環境配慮の側面が強い
・ベジタリアン、ヴィーガン関係なくHealth star ratingという概念で健康志向の方は商品を選んでいる

プリングルスもベジタリアンとヴィーガン表記がしてある

チキンフリーチキン

プラントベースド売り場も充実

フリーレンジで育てた卵、やはりエシカルな流れが強いのを感じます

ウールワース「食べ物を埋め立て地に行かせないための取り組み」

オルタナティブ(既存のものに取ってかわる新しいもの)という言葉も使われています

Health star ratingというマークが多くについている

原材料が何%Made in Australiaなのかの表記

こちら原料原産地表示制度ということで、詳しくは下記をJETROのページをご覧くださいませ。
http://www.maff.go.jp/j/syouan/hyoji/gen_gen/pdf/20160726_shiryou2.pdf

まとめ

1、ファーストフード店にはベジタリアン、ヴィーガンメニューが当たり前にある
2、ベジタリアン、ヴィーガンメニューは決して安くはない
3、ベジタリアン、ヴィーガンメニューのカロリーは決して低くない
4、オーストラリア人は現地食を含めてベジタリアン、ヴィーガンメニューが一般的になりすぎていて、和食や中華などのベジタリアン、ヴィーガン対応レストランに注目している(仮説)
5、グループに1人、2人がベジタリアン、ヴィーガンがいることで選ばれるケースが多い(日本の飲食店様もここを狙うべき)
6、スーパーマーケットなどでも様々な方々のニーズに合わせた表記がしっかりとある
7、味については日本のベジタリアン、メニューレストランのほうが上(私が日本人だからということもあり)

とにかく詰め込んだシドニー4日間でしたが、ベジタリアンとヴィーガンだけでなく観光施策なども含めて多くのINPUTがありました。
またオーストラリアも本当にダイバーシティが進んでいる国という実感がありましたが、食という部分での配慮、及び情報開示も本当に素晴らしかったです。
これからも食から相手の国や宗教や文化を相互理解することで、世界中とよりよい関係を築いていくために尽力していければと思います。

長文、乱文でしたが、最後までご覧いただきまして誠にありがとうございました。

番外編

ハラールについて

ハラールについては下記のような情報開示をしているお店をよく見かけました。
日本も含めて非イスラム教国における飲食店様や宿泊施設様の対応(輸出を考えるメーカーは別)は、このような情報開示スタイルが主流になっていくのではと改めて思いました。

「Our cuts are halal certified from supplier and are available to be prepared with no basting sauce upon request.
We take precautions in the cooking method of these dishes; however our kitchen environment is not certified by the A F I C.」

【日本語訳】
肉の屠畜についてはサプライヤーからハラール認証を受けており、リクエストに応じて下味のソースなしで準備することができます(下味のソースでハラールでないものを使っているのでしょうか)。
私たちは料理の調理方法には注意を払っていますが、 ただし、キッチンはA F I Cの認定を受けていません。

※A F I C=Australian Federation of Islamic Councils

ハラールにおける情報開示

グルテンフリーについて

グルテンフリーについては下記のような表記を出しているお店が多かったです。
グルテンフリーも①アレルギー②セリアック病③主義のグルテンフリーに分かれるので、下記は③の対策だと思われます。

「Our gluten-friendly chips may come in contact with gluten during preparation.」

【日本語訳】
グルテンフリーフレンドリーなチップスは、調理や準備の際にグルテンと接触する場合があります。