年末年始、インドを見てきました

皆さん、こんにちは。
フードダイバーシティ株式会社の守護です。

数年前から東アジアの方々が多く来られるようになって、最近では東南アジアの方々も街にあふれるようになりました。

次は確実に南アジアの方々が来るのではと考えており、特にインドはこれから確実に伸びるであろう市場ですが、
インターネットではいろんな情報が錯そうしすぎていて、これは埒が明かないと思い「現場を見るしかない!」ということで行ってきました。

多様な宗教が混在する国。
食についてはどういうルールがあってどういう工夫がされているのか。

本文はデータなども一通り目を通していますが、あくまでも私が現場で見たもの、感じたものを中心に書きます。

宗教について

外務省における基礎データは下記の通り。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/india/data.html#section1

ヒンズゥー教徒79.8%,イスラム教徒14.2%,キリスト教徒2.3%,シク教徒1.7%,仏教徒0.7%,ジャイナ教徒0.4%とのこと。

しかし、(首都周辺だからかもしれませんが)街中を歩いて感じたのはイスラムとシクは上記数字より明らかに多くないか?と。
※シクはいわゆるターバン巻いている男性の宗教です。

私の肌感覚ではイスラム25%、シク10%くらいいるなあと感じました。

ということは?

インドの人口は13.39億 (2017年)人で、イスラム14.2%だと、データ上では1.9億人。
ただし肌感覚25%で計算すると、3.34億人。

あれ?インドネシアより上か?
世界最大のイスラム教国は実は既にインドではないのか?という仮説。

そしてシク教もそうですね。
データ上では13.39億人×1.7%で2200万人。しかし肌感覚10%では1.3億人。これも結構な数字ですね。。

シク教寺院

食事情について

表記について

ここからは宗教のルールは一旦無視します。
明確化もされていなければ、階級、文化、個人の主義なども入ってくるので、あくまでも街で感じたものを。

とにかくお店でもマーケットでもベジタリアンを意識した表記が。
お店の看板にも「Pure Vegetarian」という表記であったり、「Veg & Non Veg」などの表記が目立ちます。

要はこれも情報開示ですよね。完全ベジがいいのか、混在型でもいいのかを選べるようになっています。

そしてメニューや商品には赤マークと緑マークが貼ってあります。

赤マーク→肉や魚が入っています
緑マーク→ベジタリアン対応しています

という意味です。

ただ面白いのは、チーズなどの乳製品は緑マークが貼ってあります。

そして卵には赤マークが貼ってあります。

なるほど、つまりヴィーガン(完全菜食主義者)という概念がなく、インドでの一般的なベジタリアンはラクトベジタリアンという感じなんですね。もちろん稀にヴィーガンもいるんでしょうが、ヴィーガンはお店で「乳製品は入ってますか?」などを聞くそうです。ただし、ほとんど聞かれないから、緑と赤マークの表記がメインのようです。

有名ファーストフードにいきました

例えばマクドナルド。表の一番目立つ部分に出しているメニューはベジタリアンメニューです。もちろん緑マークのベジタリアンメニューはイスラム教徒も何の問題もなくたべるとのこと(日本と違って料理酒などのアルコール調味料を使うことがないからとのこと)。

こういったポリシーも掲げていました。
(何を張り替えてPORKにしたのかは分かりませんが。。。)

さすがですね、ヒンズゥーの禁忌である牛、イスラム教徒の禁忌である豚について一切販売していないという表記。

これは別のお店ですが、こういったオイルの表記までありました。

実際に食したKFCではこのようにベジ商品を頼むと緑の箱で出てきました。

しかしどこのお店も表看板にハラールマークが見えません。
イスラム教徒も多いこの国でまさかハラールじゃないわけはないだろうなあと思って、「このお肉はハラールですか?」と聞いたら、「安心してください、ハラールですよっ」と言わんばかりにレジの下からサッと出してくれました。

何故これを掲げないのか?
あるインド人の意見では「シク教対策ではないか」とのこと。

一応ネットなどではシク教もベジタリアンだという情報が出てきますが、シク教は基本雑食とのことで、シク教の寺院にも行きましたが普通にお肉が提供されていました(本当に現場見ないとダメですね)。

そしてシク教は屠畜のルールなどがないようです。そうなったときにお肉のハラールマークなどを掲げていると「異教徒のためのお肉」というイメージが付くので、それを避けているんじゃないかという話です。
ハラールマークを掲げることで「単一宗教に配慮」というイメージが出ると、この多宗教国家インドにおいてよろしくないのかもしれません。
(このあたりは日本のお客様とムスリムのお客様を両方取りたいというお店にはとても重要なところだと)

どちらなのか、またほかの理由があるのか分かりませんが、とても納得できます。

ちなみにインド人に聞くと、小学校の社会科見学でファーストフード店がベジタリアンと非ベジタリアンのラインをしっかりと分けているなどを見る機会もあるようです。
当然、今回私は中のオペレーションまでは見ることはできませんでしたが、店員さんに聞いても「全て別ライン」という受け答えもしてくださいました。

味の好み

とにかく甘いものが好きで、スイーツなどの甘さも桁違い。
そして、米や小麦を使った料理が多く、炭水化物も多く摂取するので糖尿率もとても高い様です。

基本外食をすると、やはりベースの辛さはとても高いです。
日本のココイチでいくとカレーは5辛くらいがベースではないでしょうか。
インド料理はやはり多くスパイスを使うので、舌の感覚はスパイスに慣れすぎているのを感じました。
インド人を“美味しい”で攻めるにはやはりこういった嗜好を理解することが多少なりとも必要になると思います。

しかし、東南アジアのイスラム教徒もそうですが、つい4年前くらいまで日本にきてもケバブなどを食べていました。それは理由が二つあります。

・日本はイスラム教国じゃないからハラールは分からないであろうという考え(宗教的側面)
・自分たちの味の好みを理解できないのではないかという考え(文化的側面)

その二つがいい形で理解が進み、ラーメンやたこ焼きなどハラール対応した日本食に興味が流れてきました。

私はインドも同様で現在こういう状況ではないかと思います。

・日本はベジタリアン国ではないからベジタリアンのことは分からないであろうという考え(宗教的側面)
・自分たちの味の好みを理解できないのではないかという考え(文化的側面)

日本人がベジタリアンを体系的に理解し、インドの食文化などを理解すれば、まだまだ大きなフロンティアが残されているのでは?と感じます。

例えば一歩として今あるメニューに赤マーク、緑マークなどを貼っておくだけでも「このお店分かってる?」というイメージを与えられると思います。
 
 
五葷(ニンニク、タマネギ、アサツキ、ニラ、ラッキョウ)情報について

インドのベジタリアンは五葷をたべないという情報も結構出ているのですが、そういった表記は特に見られることはありませんでしたし、ネギやニンニクはしっかりと味が効いていました。
おそらく仏教系の一部の話ではないかと思いますが、やはり現場を見ないとダメですね。

 
 
余談ですが、、、

インドでは野良豚をたくさん見ました。
※写真は一番きれい目なものを。。

見せられないような写真もあるのですが、普通にゴミ捨て場などでゴミを漁っていました。

イスラムでは豚が禁じられていますが、一般感覚でも正直とても食べられるような感覚はありません。
イスラム教が出来た当時、豚はこういう環境にあったのではないかと想像できました。

ちなみにヒンズゥーで神聖とされている牛に関しても同様な環境にいました。
僕の感覚ではその牛肉はもちろん、牛乳すら飲むこと抵抗あるなあという感じです。
 
 

その他感じたこと

まず感じたのはアジアの圧倒的な勢い、圧倒的な人口です。
どこいっても人人人。街は正直かなり汚いですし、交通ルールも全くないですが、街としての活気と、国家平均年齢20代の人の活気は単純にすごいなと感じました。
こういった国とビジネスをすることは日本にとって本当に大事だと思います。ただし大気汚染の深刻さがとても心配ですが。。

二つ目は、宗教混在と教育についてです。
こんな多様な宗教が存在する中、もちろん歴史的な対立はあることを理解しながらも、寺院、モスク、教会などが狭いエリアに混在しながらも他宗教への理解や配慮を感じました。
街からも「それぞれ違って当たり前、ただしそのエリアに行ったらそのルールで」という空気がひしひしと伝わりました。そして学校の基礎教育でも各宗教を一通り勉強し、社会において配慮できる人材を養成しているようです。例えば「どんなにケンカをしてもシク教の人のターバンを取ってはいけない」とか「公的な場で牛を食べてはいけない」などなど。
「みんな一緒」「宗教の話はタブー」と教わる日本の教育とは正反対、ダイバーシティのモデルとして学ぶのはとても重要だと感じています。

最後、どこの国も食でインドを開拓できていないのではと感じました。
当たり前ですがインド料理屋があまりにも多いです。デリー周辺の街中を歩いても、和食はおろか、洋食、中華などもほとんど見かけません。もちろんネットなどで探せばあるのでしょうが、街中を歩いていて見ることはほとんどありませんでした。
様々なスパイスを駆使した料理に慣れたインド人にどう世界の食を訴求するか。この市場は、世界が未開拓なエリアじゃないかと感じます。例えば和食などでも、最初は70%ほどスパイスで寄せた味などを実現しないと、一歩踏み込んでくれないのではないかと個人的に感じています。しかし、可能性しかないなと思う市場です。

長文、乱文でしたが、最後までご覧いただきまして誠にありがとうございました。