熊本市の飲食店・宿泊施設向けセミナー

2024年11月6日(水)、7日(木)、熊本市観光政策課が主催で「ベジタリアン・ヴィーガン等の多様な食文化対応セミナー&試食会」フードパル熊本にて開催され、熊本市内の飲食店、宿泊施設関係者が30名参加しました。
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プログラム

2024年11月6日(水)14:00~16:00
【基礎編】外国人観光客の食の多様性とニーズについて
講師:フードダイバーシティ株式会社 代表取締役 守護 彰浩
講師:株式会社鮎里ホテル(清流山水花あゆの里)代表取締役 兼 女将 有村 友美氏

2024年11月7日(木)14:00~16:00
【実践編】熊本ならではの食材を活用した、ベジタリアン・ヴィーガン対応メニュー試食会
講師:フードダイバーシティ株式会社 代表取締役 守護 彰浩
講師:株式会社 Funfair 菜道シェフ 楠本 勝三氏

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当日の様子

熊本で求められるフードダイバーシティ対応とは

まず初日となった11月6日のセミナーでは、弊社代表守護からは世界のフードダイバーシティ市場や、ルールの全体感、ベジタリアンをベースに考えること、具体的に使用できる食材や調味料の選び方、さらに違いよりも共通点を見て考える必要性が語られました。

またヴィーガンやハラールなどの分野は「難しそう」と思われがちな分野で、それぞれの専用メニューを作るとオペレーションも含めて大変になりますが、共通点を整理して「みんなが食べられるもの」を一般メニュー化しておくことで、調理現場のストレスが大幅に削減されることが説明されました。

ざらに、TSMC関連で訪れる台湾人の具体的なニーズにも触れ「五葷(ごくん)フリー対応」の必要性も補足されました。

共通点を見る考え方

ペペロンチーノはベーコンをキノコに変更するだけで多くが食べられるようになる

ヴィーガンメニューは多くを網羅する

フードダイバーシティ対応のマトリクス

続いて、熊本県人吉市で旅館業を営む「清流山水花あゆの里」の有村氏からは、フードダイバーシティに取り組むきっかけや、どのように取り組んできたのか、そしてフードダイバーシティ対応で得られた具体的な成果などが発表されました。

特に2023年の外国人宿泊者数のうち58%がフードダイバーシティ対応で得られたことは、参加者から大きな関心を集めました。さらに2020年に起きた豪雨災害後のサスティナビリティに配慮した地産地消や、フードロスへの取り組みなども説明が行われました。

フードダイバーシティ対応に興味のあるホテル・旅館様は是非一度あゆの里にご宿泊ください(https://www.ayunosato.jp/

講演を行う有村氏

あゆの里での具体的な実績

翌日11月7日は、世界一のヴィーガンレストランの評価を持つ東京自由が丘「菜道」の楠本シェフから5品の試食が提供されました。提供メニューは以下の通りで、それぞれでヴィーガン、素食、ハラールが対応されました。

・とんこつラーメン
・太平燕(タイピーエン)
・餃子
・スイートポテト
・ハラール牛雑炊(ゼンカイミート社のハラール牛すじを使用)
・ハラールローストビーフ(ゼンカイミート社から提供)

試食の提供後、楠本シェフからそれぞれのメニューにおいて、考え方、使用した原材料や調味料、味を出すための工夫点、売り方など詳細の解説が行われていきました。

試食メニュー(楠本シェフ提供)

提供メニューの対応表

料理の解説を行う楠本シェフ

参加者からは「ヴィーガンで味を出すための考え方や、プロのシェフの思考の深さを存分に学ぶことができました。」「これまでは要望があった際に食べられるものをどうにか選んで対応してきたが、それだと満足度が取れないことが分かりました。」「TSMC対策でこれから五葷フリーをしっかりと研究したいと思います。」などの声が上がり、熱気を帯びたままセミナーは終了しました。

熊本市観光政策課は今後も熊本市内で、食の多様化に関する事業を推進していく予定とのことです。