GMTI 2024が今年も発表となりました
食の多様性対応を支援するフードダイバーシティ株式会社の横山です。
2024年版のマスターカード・クレセントレーティング・グローバルムスリムトラベルインデックス(GMTI)が発表されました。
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Global Muslim Travel Index 2024
今年のインデックスでは、ムスリム旅行の体験を豊かにするための包括的モデルであるRIDAフレームワークが導入されています。これは、責任、没入感、デジタル、安心の4つを評価するもので、いわゆるインクルーシブツーリズムに通じるアクセシブルトラベル(アクセス可能な旅行)も含まれています。
加えてムスリム女性向け旅行先ランキングも拡充され、OIC(イスラム協力機構)および非OICカテゴリーのトップ20が発表されました。
日本はコロナ禍前の順位に
注目されたランキングで日本は8位(非OIC諸国カテゴリー)と、昨年から2ランクダウンしました。これは2016年以来の順位で、過去最高だった3位(2019年)からは大きく後退しています。
原因はひとえに競合国の躍進です。同カテゴリー首位のシンガポール、2位の英国はじめ、続く台湾、香港、タイ等各国地域は受入環境整備の整備と誘致を積極化させ、評価に対する得点を加点させているからです。日本が再びランキング上位を目指すのであれば、評価項目に対して戦略的に取り組む必要があります。
日本は女性ムスリムには高評価
一方、女性のムスリム(ムスリマ)にフレドリーな旅行先ランキングで、日本は5位にランクインしました。首位はシンガポール、次いで香港、台湾、アイルランドで、東アジア諸国は総じて女性ムスリムにとって安全な旅行先であると評価されています。インデックスによると、ムスリム旅行者の49.2%は女性であるため、今後このランキングにも注目が集まると考えられます。
インデックスは毎年「Halal in Travel Summit」のイベントの中で発表されます。それには各国から政府関係者や観光事業者が参集し、ランキングの発表を見守ります。日本は昨年JNTOシンガポール事務所が招待され出席しましたが、今年は要人の出席がありませんでした。日本はムスリム旅行市場から注目されながらも、自ら存在感を示すことができないでいるようです。
著者
横山 真也
フードダイバーシティ株式会社 共同創業者
キャリアダイバーシティ株式会社 共同創業者
ヨコヤマ・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役
日本と海外での複数の起業が評価され、16年シンガポールマレー商工会議所から起業家賞を受賞(日本人初)
NNA ASIA経済ニュースコラムニスト
著書に「おいしいダイバーシティ~美食ニッポンを開国せよ~」(ころから株式会社)
ビジネス・ブレークスルー大学経営学部および東洋大学国際学部 非常勤講師