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国内外 代替卵市場まとめ
近年勢いを増すプラントベース熱。ここ最近「代替肉」「ベジタリアン」「ヴィーガン」に関するニュースを耳にする機会が増えてきましたが、今回は代替食品の中でも今後の成長分野である「代替卵」に着目します。
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代替卵とは?
代替卵とは動物の卵以外の原料から作られた鶏卵の代替品です。一般的には大豆、緑豆などの豆由来のタンパク質が作られており、欧米では2010年代前半から急速に成長している分野の一つです。KNOWLEDGE SOURCING INTELLIGENCE(マーケットリサーチ会社)によると、世界の代替卵市場は2026年時点で26.2億ドル(約3000億円)に成長すると言われています。卵全体の市場規模から考えると発展途上の市場ですが、年平均成長率は121%と予測されており、今後の成長に期待が寄せられています。
一方で、代替肉や代替乳製品に比べると、代替卵市場のプレーヤーは限られており、グローバルニッチな分野として注目を集めています。
代替卵市場の主なプレーヤー
下図は代替卵市場の主なプレーヤー比較です。注目すべきは赤枠で囲っている「状態」「用途」の2箇所です。
まずは「状態」から見ていきましょう。代替卵市場のリーディングカンパニーのJust Eggは「液体」と「加工品(パティ)」を展開しています。
一方、老舗のFollow Your Heartは「粉末」です。関係者のヒアリングによると、Just Eggも設立当初は粉末からスタートしたそうなのですが、段階的に液体や加工品にシフトしていきました。マーケットがより手軽さを求め始めたことが背景にあります。
次に「用途」ですが、イギリスのOggsのように製菓(ベーキング)産業における代替卵のニーズも拡大しています。具体的には卵白特有の”膨らむ”や”固まる”という機能に対するニーズが高まっています。
こうした市場の変化を見事に捉えているのがイスラエル発のZero eggです。状態は粉末、液体、加工品(パティ)を展開し、用途も惣菜のみならず、製菓向けにも対応できるような商品を取り揃えています。
今後の市場予測
今後もZero eggやJust eggの動きを追いかけることで代替卵の市場動向を把握することができるでしょう。総じて代替食品先進国(欧米)では利便性と多様性がキーワードになると考えています。利便性に関しては、液体や加工品の誕生で暫くはこの流れが続くでしょう。また多様性に関してですが、近年ゆで卵や卵白に特化した商品も発売されており、代替卵の中でもより細分化されたニーズ(機能や状態等)に応える商品が展開されていくのではないかと予測しています。
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日本の代替卵市場
2020年にキユーピー社から「ほぼたま」が発売され、大きな話題を呼びました(話題沸騰の代替卵『HOBOTAMA(ほぼたま)』とは?キユーピーが新しく提案するプラントベースフード取材レポート)。冒頭触れた通り、代替肉や代替乳製品に比べて、代替卵の商品は極めて少なく、日本においても代替卵は未開拓の市場です。恐らく、卵アレルギー対応の一環として始まり、プラントベースフードが一般認知されたタイミングで、プラントベースエッグ、ヴィーガンエッグとして広がっていくのではないかと予想しています。
事例
日本食プラントベースブランド「UMAMI UNITED」がプラントベースエッグを発売
350人の保育園児が実感「アレルギーがある子もない子も、ONE TABLEで食べられる!」
日本での購入サイトはこちら(送料込み1500円〜):https://umamiunited-ec.com/
著者
守護 彰浩(しゅご あきひろ)
フードダイバーシティ株式会社 代表取締役
流通経済大学非常勤講師
1983年石川県生まれ。千葉大学卒業。2006年に世界一周を経験後、2007年楽天株式会社に入社し、食品分野を中心に様々な新規事業の立ち上げに関わる。2014年、多様な食文化に対応するレストラン情報を発信する「HALAL MEDIA JAPAN」を立ち上げ、フードダイバーシティ株式会社を創業。ハラールにおける国内最大級のトレードショー「HALAL EXPO JAPAN」を4年連続で開催し、国内外の事業者、及びムスリムを2万人以上動員。さらに2017年からはハラールだけでなく、ベジタリアン、ヴィーガン、コーシャ、グルテンフリー、アレルギーなどに事業領域を広げ、全国自治体・行政と連携しながら普及のための講演活動、及び集客のための情報発信を行う。2020年には総理大臣官邸で開催された観光戦略実行推進会議にて、菅総理大臣に食分野における政策を直接提言した。著書に「開国のイノベーション」(株式会社スリースパイス)。
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