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キユーピーから発表された代替卵『HOBOTAMA(ほぼたま)』とは?
日本で最も多くの卵を扱い、マヨネーズを代表とする日本が世界に誇る食品メーカーであるキユーピー株式会社(以下、キユーピー)から、プラントベースフードの第一弾として原材料の大部分が植物由来のものから作られた『HOBOTAMA』が、飲食店やホテル、学校給食などの業務用市場に向けて2021年6月30日から新発売されます。
新商品の『HOBOTAMA』は、豆乳加工品をベースに、スクランブルエッグのような見た目と食感を再現したプラントベースフードです。シェフが丁寧に手作りしたような半熟感を再現しており、飲食店などで提供するメニューの付加価値を高めることができます。プレーンな味わいで、パンや野菜などと相性がよく、サンドイッチや朝食メニューなどに幅広く使用できます。もっとタマゴのおいしさと魅力を届けたい、一人ひとりの食に寄り添っていきたい、子どもたちの明るい未来を支えていきたいという想いを具現化するため、プラントベースフードの開発に取り組み、『HOBOTAMA』を商品化しました。アレルギーなどさまざまな理由で卵を食べられない方にも、寄り添うことができる商品です。
※PRTimesより抜粋
本記事では、弊社フードダイバーシティ株式会社による『HOBOTAMA』の試食レポートと、開発ご担当の渡邊主席、梶研究員からお伺いした開発秘話をご紹介します。
『HOBOTAMA』の試食レポート
今回は冷凍から解凍したプレーンと、HOBOTAMAの使用メニュー例にもなっている「ほぼたまマヨコッペ」を試食させて頂きました。
まず、見た目と香りはスクランブルエッグそのもので、豆乳加工品がベースになっているとは全く分かりません。更に食感は卵を加熱した時の固形感、噛んだ際の歯ざわりも見事にスクランブルエッグを再現しており、肝心の味についても多くの人が食べ慣れた優しい卵の味を十二分に感じることができます。
プレーンについて、開発担当の梶研究員より「温めると更においしくなりますが、大豆の風味は若干強くなります」とお伺いしたので、温めた状態でも試してみたところ、熱で更に卵のとろみとふわふわ感が実感でき、より本物の卵に近づいたという印象を受けました。大豆感は「舌で大豆の味を探しに行ったらどうにか分かる」レベルのもので、決してそれが気になるものではありませんでした。そもそもスクランブルエッグは、卵そのままの味で食べるわけではなく醤油やマヨネーズなどの調味料を加えて調理しますが、今回キユーピーのエッグケア(卵不使用のマヨネーズ)を加えて試したところ、大豆の風味は全くと言っていいほど分からなくなりました。
以下ページより「プラントベーススクランブルBURGER」「モーニングベジプレート」「ほぼたまマヨコッペ」のレシピが公開されています。
https://www.kewpie.co.jp/prouse/recommend/hobotama/
商品概要
商品名:HOBOTAMA
内容量/荷姿:120g/20袋
賞味期間:冷凍1年
価格:オープン
発売日:2021年6月30日(水)
原材料:豆乳加工品(国内製造)、食物油脂、食塩、酵母エキスパウダー/トレハロース、加工でんぷん、ゲル化剤(アルギン酸ナトリウム)、乳酸カルシウム、クチナシ色素、増粘多糖類、調味料(アミノ酸)、香辛料抽出物
『HOBOTAMA』の開発秘話
開発担当の渡邊主席、梶研究員より
本プロジェクトは2018年12月に始まり、キユーピーとして過去に研究を積み重ねてきた製造技術を駆使しながら今日まで開発を進めてまいりました。基本的に卵は単体よりも、メニューで食べることが多いので、パンや野菜などとの相性を徹底的に研究し、飲食店様やホテル様がお客様へ提供する最終商品であるサンドイッチやハンバーガー等において、使いやすいものに落とし込みました。開発において最も苦労したのは「半熟感」の再現で、製品が出来上がるまでに139回という途方もない試作と、営業部サイドからのフィードバックを幾度となく繰り返して、完成に至りました。
またネーミングについても約30個くらいの候補が挙がった中で、「大豆というキーワードを入れると食べる前から大豆をイメージされてしまう」「実際にはたまごではないので”たまご”としてしまうと嘘になる」という議論を社内で繰り返し、”分かりやすい”と”親しみやすい”を突き詰めて「HOBOTAMA」に決定しました。実はキユーピーの国内販売商品の中で英語表記の商品は「HOBOTAMA」が初となります。
世界で見てもプラントベース市場は非常に大きく伸びており、今後更に拡大していくと考えています。当面は国内BtoBでの販売から進めていく予定ですが、海外も視野に入れています。しかし世界の他社製品と競争していくというわけではなく、共存して一緒にプラントベースフードという分野を伸ばしていく方針で進めていきたいと思います。
最後に
日本の食品大手企業がプラントベース市場へ参入することは非常に喜ばしいことです。また今回試食をしてみても、日本が世界に誇るキユーピーがプラントベースエッグを作ると、ここまでの素晴らしいクオリティのものが作れるのかと正直驚きを隠せません。プラントベースの分野は健康志向、環境保全、アレルギー、宗教、様々な側面があり、全ての人が同じ食卓を囲んで食事を楽しめることも重要ですが、味へのこだわりを徹底的に突き詰める日本の食品メーカーの姿勢は、今後世界に対して大きな差別化になっていくと感じました。新しく「プラントベース」をホームページの商品カテゴリに追加したキユーピー、今後の展開、第二弾、第三弾の取り組みにも注目です。