持続可能な社会の実現に向けて

最近メディアでも頻繁に目にするようになったSDGsという言葉。何となくイメージは湧くけど、実際にどういった取り組みがあるかと問われると答えに困る方も多いのではないでしょうか?そこで今回は実際に企業の取り組み事例を見ていくことにしましょう。

SDGsとは?

「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2015年9月に国連で開かれたサミットの中で世界のリーダーによって決められた、国際社会共通の目標です。世界中は2030年までの残り10年間で17の目標と向き合うことになります。

SDGs 17の目標

エスビー食品株式会社の取り組み事例に迫る

2019年11月27日から3日間開催された「日本の食品輸出EXPO」では数100社の食品会社が集められましたが、SDGsにおいてとりわけ先進的な取り組みをされていたエスビー食品株式会社の事例を紹介します。

日本の食品輸出EXPOのブースの様子

エスビー社のSDGsの取り組み

エスビー食品株式会社は、ベースの原料である”香辛料”、環境・人権などの課題を抱える”パーム油”と”紙”の3本軸で持続可能な社会実現に向けたコミットメント(約束)を定めていました。

持続可能な調達に関するコミットメント

SDGsの何と関係があるの?

例えば、②のパーム油。パーム油は、アブラヤシの果肉から採れる油脂で、カレーのルウを製造するうえで重要な原材料の一つですが、農園開発のための熱帯林伐採や、農園労働者の人権問題などが問題視されてきました。そこで2017 年 10 月よりルウカレー業界としては国内で初めて「RSPO (持続可能なパーム油のための円卓会議)」に加盟し2018年11月より「認証パーム油」の使用を開始。SDGsの所で言う「10 人や国の不平等をなくそう」や「15 陸の豊かさも守ろう」の観点に当てはまる取り組みと言えるでしょう。香辛料のフェアトレードや紙のFSC(森林管理協議会)認証紙の活用も同様です。

「ヨーロッパの大手小売チェーンとの交渉や東京オリンピックの調達条件などでも認証油などの項目が入ってくることも少なくないです(同社海外営業担当者)」

食品業界において「SDGs」という観点は今後切っても切れないものになっていくことでしょう。Food Diveristy Todayではインバウンドの一環でフードダイバーシティ(食の多様性)について報じて参りましたが、今後は「SDGs」の観点でフードダイバーシティについて語ることが増えていきそうです。