東京ドーム4個分の広大な日本庭園
神奈川県横浜市にある「三溪園(さんけいえん)」 は約175000平方メートルもの敷地を持つ広大な日本庭園です。その広さは東京ドーム4個分。自然豊かな園内には、国の重要文化財建造物10件12棟と横浜市指定有形文化財建造物3棟を含む、17棟の歴史的建築物が巧みに配置されています。
建造物は元々あった場所から移築されたもので、京都府からは5棟、和歌山県からは3棟、神奈川県から2棟、岐阜県1棟、東京都1棟と、各都市から移築されています。
日本庭園の自然美と建造物の造形美が見事に融合し、美しい姿を見せてくれています。
三溪園の名前の由来
三溪園は、実業家で美術品収集家、また茶人でもある「原富太郎(はらとみたろう)」が造った庭園です。
原富太郎は1868年(慶応4年)に青木家の長男として生まれました。小学校卒業後、儒学者の野村藤陰や草場船山に学び、上京後、東京専門学校で経済学などを学んだ後、跡見女学校の教師となります。その後の1892年、跡見女学校の教え子だった「原屋寿(はら やす)」と結婚。原屋寿は横浜の豪商の原善三郎の孫ということもあり、原屋寿の家業を継ぐために養子となりました。家業を発展させ、生糸など絹の貿易により富を築いた富太郎は、その財産で古美術の収集や芸術家の育成にも注力。そのため、横山大観や前田青邨などのが描いた近代日本画の代表作品が生み出されたことでも有名です。25歳頃から集め始めたコレクションは5000点を超えたと言います。1906年(明治39年)頃から三溪園の造園や整備、古建築の移築などを進め、同年の5月1日に市民にも公開されています。
富太郎は書画もたしなみ、その号として「原三渓」と名乗っています。三溪園は富太郎の号から取ったものなのです。
関東大震災や太平洋戦争などで建物の一部が焼失しますが、1953年(昭和28年)に財団法人三溪園保勝会が設立されて、庭園の整備や修復が行われ、今の姿になりました。
重要文化財や横浜市指定有形文化財の歴史的建造物
三渓園には17棟の歴史的建造物があり、庭園の起伏を活用して巧み配置されています。その建造物の一部をご紹介します。
「臨春閣(りんしゅんかく)」は、江戸時代初期の1649年(慶安2年)、和歌山県岩出市に建てられた紀州徳川家の別荘です。その後、大阪に移築されたものを原三渓が譲り受け、ここ三溪園に移築されました。移築の際には屋根の形や建物の配置が変更されていますが、内部はそのままで状態です。狩野派の障壁画や繊細な書院造りの意匠が各所に見ることができ、国の重要文化財です。
「月華殿(げっかでん)」は、同じく江戸時代の1603年(慶長8年)に初代将軍の徳川家康が伏見城内に、諸大名の控えの間として建てた建物と言われています。海北友松筆とされる障壁画や透し彫りなどの衣装が内部を美しく飾り立てています。1918年(大正7年)に京都府宇治市から三渓園へ移築されました。こちらも国の重要文化財です。
横浜市指定有形文化財の「白雲邸(はくうんてい)」は、原三溪が夫人と暮らすために建てた隠居所です。臨春閣に似せて造られた数寄屋造で、吟味された材料と伝統工法とともに、シャワー室や電話室などもある近代的な要素も取り入れられているなど、原三渓のこだわりが見て取れます。
他にも、「春草廬(しゅんそうろ)」、「天授院(てんじゅいん)」などの重要文化財や「御門(ごもん)」などの横浜市指定有形文化財が自然と調和するように考えられた配置で、その造形美が観光客を楽しませてくれています。
季節ごとに見せる自然美とイベント
1月に開催される花梨、椿などの盆栽を中心とした「盆栽展」。時間をかけ丁寧に造られた見事な盆栽を楽しむことができます。
旧燈明寺三重塔のライトアップが楽しめる「観桜の夕べ」は、三渓園の昼間と違った夜の幻想的な風景を桜とともに観覧できます。ライトアップされた夜桜が暗闇の三渓園に光り輝きます。
三渓園内では5月にホタルも見ることができます。「蛍の夕べ」として催され、ライトアップされた三重塔とともに、優しく光るホタルを鑑賞できます。
7月には「朝顔展」、9月に「観月会」などひと月ごとに催し物が開かれています。
三渓園には多くの植物も植えられていて、春には桜や藤、皐月が、夏には睡蓮、紫陽花、蓮などが、秋は銀杏や紅葉など、冬に椿、梅がその季節に咲き誇ります。手入れの行き届いた日本庭園に美しく咲く花々や芽吹く新緑が歴史的建造物をより際立たせてくれています。
季節に合わせたりイベントに合わせてお出かけください。
住所 | 〒231-0824 神奈川県横浜市中区本牧三之谷58-1 |
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Tel | 045-621-0634 |
開演時間 | 9時~17時(入園は閉園の30分前まで) |
休園日 | 12月29日、30日、31日 |
入館料 | 大人(高校生以上):700円 子供(小学生・中学生):200円 |
アクセス | 詳しくはこちらをご覧ください。 https://www.sankeien.or.jp/access/ |
ホームページ | https://www.sankeien.or.jp/ |
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定休日 | 年中無休 |
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