香港でベジタリアン市場を見てきました

皆様、こんにちは。
フードダイバーシティ株式会社の山崎です。

ベジタリアンと聞くと「欧米圏」を思い浮かべがちですが、
実は近年「アジア圏のベジタリアン市場」が注目を集めています。

台湾・インドに続く「アジア ベジタリアン市場レポート」の 第3弾は香港です。

・台湾レポートはこちら

・インドレポートはこちら

・ニューヨークレポートはこちら

・シドニーレポートはこちら

機内食もバッチリのキャセイパシフィック航空

香港に向かう機内で早速ベジタリアンオプションを発見しました。

ビーフ or チキンと聞かれ、ダメ元で「Do you have veg meal?」と聞いたら
「少々お待ちください」と言われて出てきたのがこちらのメニュー。

驚きポイントは次の3点です。

①予約なしで常備されている点

②vegetarianではなくvegan対応な点
→より多くの方に対応できます

③サラダではなかった点
→パスタが出てきました

ニューヨーク視察の際も驚きの機内食対応でしたが、
各国様々な工夫がなされていることが分かります。

▼ラグビーW杯直前、欧米ベジ対策(ニューヨーク視察レポート)
https://fooddiversity.today/article_35487.html

4人に1人が週1ベジタリアン

香港では「Green Monday」という運動が話題を集めています。

「月曜日だけベジタリアン食を取り入れてみませんか?」という趣旨の運動で、
これにより2008年には5%だったフレキシタリアンは2018年には24%にまで上昇したようです。

環境問題や健康志向が背景

芸能人やアーティストが「環境」や「健康」に絡めてGreen Monday運動を推進したこともあり、
街中でも「エコフレンドリー」な一面を目撃しました。

香港のスターバックスではプラスチックストローが廃止され、
紙ストローの提供がスタートしています。

こうしたトレンドは「若年層」を中心に急速に広がっていました。

Years

香港で一番人気のヴィーガンレストラン Yearsの店内の様子です。

お洒落でかつ美味しいと20〜30代の女性で賑わっていました。

Green Common

ベジタリアン商品を扱うリテールショップGreen Commonでも客層は若年層が比較的多かったです。

「EASY VEGETARIANコーナー」ではレディーミールなど手軽に始められる商品が、
「GREEN LIVINGコーナー」ではアメニティーなど日常生活寄りの商品が取り揃えてありました。

「初心者から玄人まで」幅広いラインナップで新たなライフスタイルを提案していました。

ベジオプションは3つ以上が理想

前述のGreen Mondayはベジオプションを普及するべく、
飲食事業者向けに研修プログラムを実施しています。

参加企業はプログラムを修了する際、
“最低3つ” ベジオプションを用意する事が求められます。

1つ:妥協
2つ:感謝
3つ:充実、感動、誰かに伝えたい!

一概には言えませんが、
3つ以上からが満足度を感じやすいと感じる消費者が多いようです。

日本ででもベジタリアンのゲストを迎え入れる際に参考になりそうな数値ですね。

ベジタリアン=サラダではない

台湾編やニューヨーク編でも再三触れてきた内容ですが、
「ベジタリアン=サラダではない」というのは香港でも同様でした。

がっつり感のあるボリューミーなメニューが人気を集めていました。

今流行りのimpossibleバーガー。肉汁と赤身が本物そっくり。

オムニポークカツサンドも絶品です

このガッツリ感。

もはやveganである事を忘れます。

「ベジポーク」を頻繁に見かけました

こちらのベジポーク(商品名:Omni Pork)をレストランで良く目にしました。

150店舗のレストランチェーン”Tsui wah”にて

開発者の方に話を伺ったところ下記のような誕生秘話を教えてもられました。

「Beyond meatやImpossible burgerなど”牛肉”の代替食品は市場に溢れていますが
アジア(特に中国・香港)では豚肉の消費量の方が圧倒的に高いです。
であれば、”豚肉”の代替食品があった方がより受け入れられやすいのでは?
という思いでこの商品を開発しました。」

日本でもベジチキンやベジビーフに比べてベジポークはまだあまり見かけません。

新しい切り口として面白いかもしれません。

ちなみにこちらの商品は香港では「Omni Pork」と謳っていますが、
タイでは「Omni Meat」と呼んでいます。

理由はイスラーム教徒への配慮だそうです。

Omni Pork

Omni Meat

試食コーナーでは、パテ・ソーセージ・スパムなど、様々なデモンストレーションが行われていました。

日系飲食チェーンも続々とベジ対応

牛角や温野菜など、名だたる日系飲食チェーンもベジオプションを導入していました。

温野菜ーベジポークを使ったツミレや餃子など

牛角×ビヨンドミート

今後「海外で対応したものを日本に逆輸入」といった動きが増えてくるかもしれませんね。

全体のまとめ

・機内食もバッチリのキャセイパシフィック航空(注目ポイントは下記)
 ①予約なしで常備されている点
 ②vegetarianではなくvegan対応な点
 ③サラダではなかった点

・Green Mondayムーブメントにより過去10年でフレキシタリアンは5%から24%に増加
環境問題や健康志向が背景
こうしたトレンドは「若年層」を中心に急速に広がっている

・ベジオプションは3つ以上が理想
 1つ:妥協
 2つ:感謝
 3つ:充実、感動、誰かに伝えたい!

・ベジタリアン=サラダではない
がっつり感のあるボリューミーなメニューが人気を集めていた

・日系飲食チェーンも続々とベジ対応(牛角や温野菜など)
今後「海外で対応したものを日本に逆輸入」といった動きが増えてくる可能性が高い