Japan Todayが3月30日に「Vegan and veggie invasion: Can Japan meet the culinary needs of inbound tourists?(押し寄せるベジ・ヴィーガン : 日本はインバウンド旅行者の食のニーズに応えられるのか?)」という記事を公開しました。ラグビーW杯や東京五輪を控える日本。世界は今日本をどのように評価しているのか?ベジタリアン・ヴィーガンという切り口で見ていきましょう。
*Japan Today:月間120万ユーザーが見るメディア。英語で日本の情報を発信。
=========以下、記事の要約=========
豆腐や野菜などをふんだんに使うイメージが強い日本料理だが、ベジタリアンにとって選びやすい環境かと思えばどうやら違うらしい。健康・動物倫理・地球環境問題などを背景に世界で急増するベジタリアン。訪日市場においてもベジタリアンのニーズは広まるばかり。さて、日本は一体こうしたニーズに応えることができるのだろうか?
訪日旅行者の葛藤
2019年のラグビーW杯、2020年の東京五輪が近くに連れ、インバウンド需要は増える一方、ベジタリアン・ヴィーガンは滞在中、食事面で大きな問題を抱えている。
東京をベースに食に特化した体験ツアーを提供する「Foodie Tours Japan」はヴィーガン・ベジタリアン・ムスリムフレンドリー・グルテンフリーなど食の多様性に対応したツアーを展開(英語・ドイツ語対応)。
オーナーのGizem Sakamakiさんはベジタリアン・ヴィーガンが訪日中に直面する問題をこう指摘する。
「ベジタリアン・ヴィーガンの旅行者にとって、さりげなく肉や魚が使われているような日本食はハードルが高いです。例えば、鰹節なんかはスープ・ご飯物・麺類など様々なケースで使われており、これを避けるのは一苦労です。」
Foodie Tours Japanのスタッフでもあるイギリス出身のAbby Hallさんはヴィーガンになって6年。日本での苦労をこのように語る。
「乳製品を避けるのは特に大変です。アイスクリームショップに行き、豆乳アイスを注文しても、”豆乳ベース”なだけで、牛乳が含まれていることもありました。」
このようにベジタリアン・ヴィーガンに対する理解が足りてないことは日本ではよくあることで、ほとんどの日本人が「ヴィーガン=動物性のあらゆる商品を消費しない」ということをわかっていない。
「アメリカ、イギリス、オーストラリアなどと違って、日本にはベジタリアン・ヴィーガンを判断するようなラベルがありません。日本が最近までヴィーガニズムというトピックに触れて来なかったことが垣間見れます。」
そう話すのはFoodie Tours Japan Vegan Tour TeamのコーディネーターJackie Jansenさん。
Foodie Tours Japanはこうした問題の解決のために、参加者にお役立ちフレーズやお役立ち情報を渡しているという。
「コンビニで肉・卵・乳・魚など漢字の読み方を教えたり、ヴィーガンに人気なお店の紹介なども行っています。」
増加してきている選択肢
ベジタリアンオプションは少しずつだが増えては来ている。東京で飲食店を複数店舗経営するECN Hospitality(店名:Two Rooms)は季節限定でベジタリアンメニューを提供。
Two Roomsの料理長のMatthew Crabbeさんはベジタリアンメニューの開発の経緯をこう説明する。
「時代がベジタリアンにシフトし始めているのを前々から感じていました。ベジタリアンの方にも満足して頂きたいという想いから、メニュー開発に踏み切りました。このようなムーブメントに立ち会える機会は中々ありません。私は日本はベジタリアンと相性が良い国だと思っています。」
Hallさんは過去5年の日本での生活をこう振り返る。
「東京や京都のコンビニでは現在ヴィーガンラーメンが売っていたり、レストランやカフェでもヴィーガンの選択肢は確実に増えて来ています。TVでもヴィーガンをテーマにした特集が増えて来ており、まさに今こそ日本がベジタリアン・ヴィーガン対応のムーブメントを起こすチャンスだと思っています。」
イギリスでは”ヴィーガン=サラダ、不健康”というイメージを払拭しようと、ヴィーガンジャンクフードブームが巻き起こっている。
「良い変化だと思います。ただ、東京ではもう少し時間がかかりそうですね。」
Two RoomsのCrabbeさんはレストランの未来をこう考えている。
「海外ではベジタリアンというライフスタイルを選択する人が今後さらに増えてくると思う。ベジタリアンオプションの拡充も積極的に考えていきたい。」
=========ここまでが記事の要約=========
いかがでしたでしょうか。
ベジタリアンオプションが不足しているという「目に見える問題点」と日本人のベジタリアンに対する理解不足という「目に見えない問題」。
ハード面とソフト面を両側面から指摘した記事を紹介させて頂きました。
ラグビーW杯まで5ヶ月、東京五輪まで約1年。
限られた時間で何ができるか?改めて考えなければなりませんね。
記事原文
Vegan and veggie invasion: Can Japan meet the culinary needs of inbound tourists?