増える外国人労働者のために考えたい食事のこと

食の多様化を支援するフードダイバーシティ株式会社の横山です。

日本は、過去10年間で外国人労働者の受け入れが急増しており、その中でも特にネパールからの労働者が注目されています。ネパールからの労働者数は約12万人に上り、前10年間で約13倍に増加しました。これにより、国籍別外国人労働者の中でネパール出身者は5位まで急上昇し、全体の6.5%を占めるまでに至っています。

See Also

【今さら聞けないフードダイバーシティ基礎情報まとめ】ハラール(ハラル)とは?ベジタリアンとは?ヴィーガン(ビーガン)とは?素食とは?

ネパールは南アジアに位置し、約3,000万人の人口を抱えています。この国の文化や宗教背景にはヒンドゥー教が主要な宗教であり、その影響を受けて多くのネパール人がベジタリアン対応の食事をする傾向があります。このため、ネパールから日本に来る労働者の中には、食事の選択肢に戸惑う人々が多いのも事実です。

日本における外国人労働者の流入は、最初は東アジア諸国から始まり、次に東南アジア諸国へと広がりました。しかし、最近ではネパールを含む南アジア諸国からの労働者も増加傾向にあり、日本の多様性が一層増しています。この多様性は、異文化との理解がますます必要になる一方で、異なる文化を尊重し受け入れる機会でもあります。

特に食文化は、異文化との交流の第一歩として非常に重要です。ヒンドゥー教の信仰に基づくベジタリアンの食事習慣を持つネパールからの労働者が、日本の食事文化との違いに直面することは避けられません。このため、日本の雇用主や社会全体が、異なる食文化に対する理解と配慮を深める必要があります。

また、ネパールからの労働者が増加することで、日本の多様性が一層豊かになる一方で、新たな文化的な要素が導入される可能性もあります。例えば、ネパール料理のレストランや食材の供給が増え、日本の食文化に新しい要素を加えることが期待されます。

このように、ネパールからの労働者の急増は、日本社会における異文化理解と多様性の重要性を再確認させる出来事と言えます。日本は、これらの変化に対応し、異なる文化や価値観を尊重し、受け入れる社会としての役割を果たすことが求められています。

著者

横山 真也
フードダイバーシティ株式会社 共同創業者
キャリアダイバーシティ株式会社 共同創業者
ヨコヤマ・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役
日本と海外での複数の起業が評価され、16年シンガポールマレー商工会議所から起業家賞を受賞(日本人初)
NNA ASIA経済ニュースコラムニスト
著書に「おいしいダイバーシティ~美食ニッポンを開国せよ~」(ころから株式会社)
ビジネス・ブレークスルー大学経営学部および東洋大学国際学部 非常勤講師