ビヨンド・ミートがヴィーガンチキン市場に本格参入
代替肉企業のパイオニアとして知られるビヨンド・ミート社が、ヴィーガンチキン市場に本格参入し、米飲食チェーン400店で「ヴィーガンチキンテンダー」の提供を開始しました。主原料はソラマメとエンドウ豆で、1食あたり14gのタンパク質を含んでいるとのことです(コレステロール・抗生物質・ホルモンフリー)。
気になる価格ですが、カナダのヴィーガン食品ECサイト「Good Rebel Vegan Provisions」での販売価格は、8個入りで「12.49ドル(1,104円)」となっています。
今後の予測
ビヨンドバーガー(ヴィーガンビーフ)の戦略を振り返ると、以下のようなフローを辿っていた事が分かっています。
①まずは飲食チェーンで展開をし、ブランディングに注力。
②段階的に小売販売を拡大。
③生産量を拡大し、コストダウンを図る。
実際に同社の直近の決算を見てみると、売り上げ規模は年々「飲食」から「小売」へとシフトしており、2020年時点では小売は飲食の4倍規模で流通してます(もちろんコロナ・ロックダウンの影響もあると思います)。
こちらを踏まえた上でヴィーガンチキンの販売フェーズを見ていきましょう。
同社は2019年8月、KFCと提携し、ヴィーガンフライドチキンのテスト販売(アトランタ州 1店舗(1日限定))を実施しましたが、結果は開店後5時間で完売となり、2020年2月には販売地域・店舗数が拡大されました(ノースカロライナ州・テネシー州 約70店舗)。
そして今回の「新商品発表(ヴィーガンチキンテンダー)」と「飲食チェーン 400店舗での展開」をみると、現時点のフェーズは①の段階にあり、今後は小売販路の拡大、コストダウンという流れが続くと予想しています。
ビヨンド・ミートの①〜③の戦略はその他のプラントベースブランドでも同様の動きが見られます。
日本企業にとっても参考になる戦略かもしれませんので、引き続き動向をチェックしていきましょう。
【参考記事】
https://vegnews.com/2021/7/vegan-beyond-meat-chicken-tenders
著者
山崎寛斗(やまざき・ひろと)
プラントベースジャパン株式会社 代表取締役
「プラントベースで日本と世界を繋ぐ」をテーマに事業を展開。 海外のプラントベース企業の日本誘致や訪日ベジタリアン向けメディアなどの事業を手掛ける。 著:東京食素!美味蔬食餐廳47選、關西食素!美味蔬食餐廳55選、東京および関西のベジタリアンガイドブックを台湾で販売中。
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