自然災害相次ぐ日本、求められる非常食や支援物資を一つ深く考える

こんにちは。食の多様化対応を支援しておりますフードダイバーシティ株式会社の守護です。
この度九州豪雨の報に接し、心よりお見舞い申し上げますとともに一日も早い再建をお祈り致します。

本日はその災害時に問題となるケースが増えている、非常食や支援物資について書きたいと思います。
予めとなりますが、「普通の」非常食や支援物資が悪いなどというお話では決してありませんのでご留意くださいませ。

非常食や支援物資に食べられるものがない?

食事が出来ない理由は大きく分けて3つあります。それは「アレルギー」「食の禁忌」「好き嫌い」で、まとめると下記の表になります。当然ですが、それは災害時も同様です。

その中で、災害時には「非常食や支援物資の中に食べられるものがない」という声が、日本全国各地で上がっています。
もちろんそこには提供側の基礎知識、コミュニケーション、相互理解、外国人の方であれば言語の問題等、様々なものがあるかもしれません。中には「有事だからわがままを言うな」「特別対応は不公平」という意見もあるようですが、これらをどのように考えていくべきなのでしょうか。

優先順位は命に関わるアレルギー

災害時のアレルギー対応についてはこちらのサイトをご参照頂き、然るべき対応をする必要があります。

また尾西食品さんがアレルギー28品目不使用の非常食も販売しているので、こういったものであれば幅広く対応が可能です。
ドライカレー アレルギー28品目不使用 (5年6か月保存)
カレーうどん(米粉) アレルギー28品目不使用(5年6か月保存)
五目ごはん アレルギー28品目不使用(5年6か月保存)

ハラールやヴィーガンなどの食の禁忌について

母数の多いハラールやヴィーガンについては、アニマルフリー&アルコールフリーのレトルトであれば多くの方が食べることができます。こちらのカタログ20ページ目などが該当商品になります。尚、アレルギーの約60%を占める「乳」と「卵」も入っていませんので、アレルギーの観点からも非常に使い勝手がいいです。

エスビー食品さんの提供するフードダイバーシティカレーは、アニマルフリー&アルコールフリー&化学調味料フリー

好き嫌いについて

こちらは残念ですが、災害時は諦めてもらうしかないと思います。

「アレルギーのない人、食の禁忌のない人も普通に食べることができる」ということ

今回の記事で一番重要なのはこちらです。アレルギー28品目不使用のものであったり、アニマルフリー&アルコールフリーのレトルトは、「アレルギーのない人、食の禁忌のない人も普通に食べることができる」ということです。「食べられるかどうか」の諸々確認作業は災害時かなり大変になることが想像できます。

よく弊社が自治体・行政から受ける質問はこちらです。
・被災者にイスラム教徒がいた場合、ハラール対応の非常食が必要になりますが、どれくらい用意しておくべきでしょうか?
・被災者にヴィーガンの方がいた場合、何を提供すればよろしいのでしょうか?

私の回答はいつも「特別食として用意するよりも、より広く皆さんが食べられるものを用意する方がフェアで、且つオペレーションも簡単です」とお伝えします。

昨年栃木県佐野市で起きた洪水災害で重宝されたものとは?

2019年10月に発生した台風19号に伴う佐野市の洪水災害、微力ながら下記のように支援物資を募り送らせて頂きました。
https://fooddiversity.today/article_49633.html

外国人在住者のとても多い佐野市ですが、やはりここでも重宝したのは「アニマルフリー&アルコールフリーのレトルト」だったようです。
その理由は、災害時は食事を提供する側も被災者であり、基本的に心に余裕があるわけではない中、外国人在住者がとても多い状況下で「食べられないものを聞く作業」から解放されたからです。
(これらの食材はもちろん一般日本人にも普通に提供したようです)

私はこれがすごく重要なことだと感じました。もしアレルギー対応の非常食、ハラール対応の非常食、ヴィーガン対応の非常食を「特別食」として提供していたら、ある程度の知識も必要になり、オペレーションにも必ず無理が発生してくると思うからです。基本、災害時の食事オペレーションに慣れている人はいませんし、冷静に行動することが難しい中、出来る限り簡易なオペレーションを組むべきだと思います。より多くの方が食べられるものをベースに用意しておき、28以外のアレルギーを持つ方などを専門知識を持つ方が個別対応するなどが重要だと感じています。
※イスラム教徒の経典「クルアーン」には非常時、緊急時などルールの遵守が難しいときには例外が認められるなどもあります。

支援物資として考えたいこと

冒頭の繰り返しになりますが「普通の」非常食が支援物資が悪いなどというお話では決してありません。

しかし、支援する側が上記のことを少し考えることができれば、食に不安を抱えて避難される方の不安を解消できるかもしれません。
そして、同時に災害現場でのオペレーション負荷を少し減らすことができるのかもしれません。

本記事がそこに少しでもお役立てできるのであれば、とてもうれしく思います。