大きな市場の変化を感じるライフスタイルとしての「ヴィーガン」
こんにちは。食の多様化対応を支援しておりますフードダイバーシティ株式会社の守護です。
新型コロナウイルス感染症の影響でインバウンドは止まっていても、フードダイバーシティ市場の流れが大きく変わっているのを感じます。
最近、下記のように日本のファストフードが軒並み「野菜」や「ベジタリアン」を前面に押し出していますが、こちらは新しい光景と感じる方が多いのではないでしょうか。
日本におけるベジタリアンメニューのニーズ変化
まず、下記2つの記事をご覧頂きたいと思います。
①キーワードは”お野菜たっぷり”!?プラス1となるサイドメニューで選ばれるベジタリアン・ヴィーガン対応メニュー
②With コロナ時代の新需要・テイクアウトやデリバリーで求められるベジタリアン・ヴィーガンメニュー
「コロナ太り」や「野菜不足」に対して、現在日本の市場ではベジタリアンやヴィーガンメニューが選ばれていることはこれまでも言及してきました。
そして、これまで弊社としてはベジタリアンやヴィーガンメニューはまだまだ多くの日本人の認識が「(主にインバウンドターゲットの)特別食」であるため、一般消費者に対しては商品としての謳い方に注意すべきというお話もして参りました。
しかし、日本のファストフード店がインバウンドが止まっているこの状況にも関わらず、ここまで前面的にベジタリアンメニューを押し出しているのを見ると、この数か月で「特別食」という概念から「ライフスタイル」に定着したのではと考えるようになりました。
「コロナ太り」や「野菜不足」ではない、新しい流れとは
あるお店の事例です。「インバウンド向けのメニュー」としてこれまでベジタリアン・ヴィーガンメニューを提供されておりましたが、2020年3月頃からは「コロナ太り」や「野菜不足」対策として、既存顧客がそれらを注文するようになったようです。
しかし、ここ最近では更なる変化が起きていて、2020年5月頃からは10代後半から20代前半の若い層がベジタリアン・ヴィーガンメニューを求めて来店するようになったようです。明らかに「コロナ太り」や「野菜不足」を心配しての来店ではないので、聞いたところ「地球環境への配慮」「SDGs」「憧れている芸能人の影響」ということでした。しかも親を連れて来店するようで、その概念などを食べながら親に説明しているそうです。
ベジメニューを普通に選ぶことができる時代に
ベジタリアン・ヴィーガンメニューを健康フックで注文する大人に加えて、主義や考え方で注文する若年層が増えてきました。コロナ前までは「(主にインバウンドターゲットの)特別食」という認識であり、これまで日本人ベジタリアンは「めんどくさい人」「何かの宗教」として見られるからという理由で、ベジタリアンであることを公表していなかった方は多かったようですが、今その流れも大きく変わってきているのを感じます。ライフスタイルとして定着した(or する)これからは「ベジタリアン・ヴィーガンメニューもあります」といったようなPRをしたお店が集客で実績を出していくと考えています。冒頭の画像はその流れができる始まりではないでしょうか。
「宗教」における食べ物として定着したハラール
一方でハラールは「宗教」の食べ物として日本では定着しました。
これまでも様々なイスラムの宗教団体が「ハラール=健康」というコンセプトで、非ムスリムにもライフスタイルとして商品訴求をしようと試行錯誤しましたが、「ハラール認証」「宗教洗浄」「ハラール物流」のようなハードルを上げすぎた概念が、非ムスリムとの心理的な距離をどうしても縮めることができなかったのではないかと考えています。実際にまだ弊社にも「ハラール物流をどうすればいいでしょうか?」という問い合わせは多く来ます。
弊社はハラールとベジタリアン・ヴィーガンはビジネス化のポイントが違うと提唱してきましたが、今後もそれは続くとおもっています。
https://fooddiversity.today/article_53809.html
以上、長文乱文となりましたが、Withコロナ対策を進める企業様にとって有益な情報になっていれば幸いです。
これを機に実際に始めていきたい!という場合は、弊社としても出来る限りのサポートを行いますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。