With コロナで起きる新しい消費動向について

こんにちは。食の多様化対応を支援しておりますフードダイバーシティ株式会社の守護です。
昨今の新型コロナウィルス感染症が日本国内はもとより世界的な蔓延が続いており、関係各社様に置かれましても甚大な影響を受けておられるかと思います。
一刻も早く終息することを心から願ってはおりますが、残念ながら長期戦が避けられない状況になってきました。昨今は長期戦を見越して「With コロナ」という言葉も出てきており、本日はその中で生まれた新しい需要について書きたいと思います。

With コロナでベジタリアン・ヴィーガンレストランに増えた新規顧客とは

先日あるヴィーガン対応レストランにテイクアウトを買いに行ったところ、とても興味深いお話をいただきました。
それは「最近新しいお客様が増えた」とのことで、しかも「このようなご時世でなければ、絶対にリーチできなかったお客様です」とのこと。

これは掘り下げるべきだと思って、ソーシャルディスタンスを守りながらいろいろ聞いてみたところ今回見えてきたペルソナは以下の通りでした。
※更にTwitterで「野菜不足」と検索しても、いろいろと情報が取得できました

■ペルソナ
・25歳男性
・会社員
・都内在住
・1人暮らし
・普段自炊はしない
・会社はテレワーク中心
・歩く量が普段の1/10になった
・慣れない働き方で生活リズムが不規則に
・テレワークになってからテイクアウトやデリバリーを頻繁に利用
・テイクアウトやデリバリーでは肉中心で好きなものを食べてきた(在宅ストレス発散も含め)
・体重が増えて、体調に変化、野菜不足も実感
・野菜不足は実感するが、食べ応えは落としたくない

■ペルソナ
・30歳女性
・会社員
・都内在住
・恋人と同棲
・共働きで週末のみ自炊
・会社は4月から完全にテレワーク
・栄養バランスなどをこれまであまり考えてこなかったが、今は出来る限り気にしている
・テレワークになってからテイクアウトやデリバリーを使うようになった
・甘いものなど糖分を取る回数が増えてきた
・先行きの見えない不安と在宅ストレスなどで肌が荒れてきた
・野菜不足を実感し、野菜を食べるも基本はサラダばかりで飽きる

■ペルソナ
・43歳女性
・専業主婦
・都内在住
・夫、子供2人(ともに小学生)
・夫はテレワークメインで在宅が多くなった
・子供は2人は学校がないため、3食全て用意している
・病院にも行けない今、栄養にしっかりと配慮して家族の体調を守りたい
・料理は得意だが、野菜料理にレパートリーが少ない
・子供たちが野菜料理に飽きてきた
・夫にも子供にも食べたいものは聞くが、基本肉料理や食べ応えのあるものを言われる(在宅ストレス発散も含め)
・野菜料理で且つ、食べ応えのあるものを用意したい

キーワードは「野菜不足不安×食べ応えは譲れない×プロのスキル」

今回上記ペルソナがヴィーガン対応レストラン(のデリバリーやテイクアウト)を選んだ理由は下記です。

①病院に気軽に行くことが出来ないので、病気の予防・体調管理を普段よりも意識している
②野菜をしっかりと食べないとと思いつつも、在宅ストレスもありある程度の「食べ応え」は譲れない
③②の気持ちは強いが食べ応えのある野菜料理を作るノウハウが一般人には少ない

つまり今回上記3点が理由で、本職で野菜料理を作るヴィーガン対応メニューが選択肢に入ってきたのではないでしょうか。
もちろん肉や魚を扱うお店でも「野菜たっぷり○○丼」「ヘルシーベジ○○丼」などをこのタイミングでしっかりと整備すべきだと思います。残念ですがコロナウイルスとの戦いはまだまだ長期戦が予想されており、この需要は長期戦になるにつれて伸びてくる需要だと考えております。

またヴィーガンで世界一を獲得した自由が丘の菜道さん、実は「野菜料理世界一は自由が丘にあるんです」という看板を出されています。
ここの楠本シェフにもインタビューをしてみると、やはり「以前から看板で見る”野菜料理”が気になっていたが、野菜不足不安で来ました」という近隣住民の新規お客様がとても増えているとのことでした。
菜道さんでの新規お客様には野菜を使った「カツ丼」が大人気とのことで、もちろん普通のトンカツに比べてカロリー大幅カットの上、高いシェフのスキルで食感や食べ応えも通常のカツ丼と比べても申し分なし(アイデアも含めて)という評価で多くの方がリピートするメニューだそうです。

ポストコロナでも残り続ける需要

これまではどうしても「専門食」というイメージが強かった分野ですが、今回このような理由で初めてレストランのベジタリアン・ヴィーガン対応メニューを意識して食べる人が増えると思います。
味や食べ応えに満足した人は「ベジタリアン、ヴィーガンも選択肢としていいね」ということで、ゆるベジ・週1ベジなどが1つのライフスタイルになるのではないでしょうか。

「今日何食べる?肉系にする?魚系にする?ベジ系?」という会話が一般的になり、飛行機などでも「チキン?フィッシュ?ベジ?」といった形で、健康志向、女性、ご年配の方、機内で胃もたれしたくない方などは普通に「ベジ」を選択する日が来るのではと思っております。それを見越してどう作戦を作っていくかがとても重要な局面になってくるのではないでしょうか。
※飛行機ではベジタリアン・ヴィーガンについては基本予約ベース
※世界最大級のベジタリアン・ヴィーガンレストラン検索サイトHappyCow

以上、長文乱文となりましたが、Withコロナ対策を進める企業様にとって有益な情報になっていれば幸いです。