島津家別邸仙巌園「御殿」から尚古集成館

仙巌園、庭園探訪の2回目です。今回は後半、島津家別邸の「御殿」からの帰り行程をご紹介します。

島津家御殿を出発

島津家御殿から水路のような細い川を挟んで向こうに、芝はさらに広がります。秀成荘、水力発電用ダム跡、曲水の庭、北側の端には江南竹林と江南竹林の碑が立っています。再び御殿に戻ってくる遊歩道の行程途中には御庭神社も左手に見えます。しばらくの間は御殿の裏側を通過し、仙巌園背後の山を抱える景観になります。実はこの山も奥まで経路は整っていて、六地蔵、観水舎碑文、筆塚、集仙台へと道は続きます。そちらの道を避け再び狭い海岸沿いの経路を取ると、1階に土産処「島津のれん」、2階に御膳所「桜華亭」を収める建物が見えてきます。

 

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仙巌園内。 島津家の御殿と、そこから望む桜島の噴煙。 #鹿児島県 #仙巌園 #御殿 #桜島

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仙巌園という雰囲気

緑の広大な庭が開放感を誘う仙巌園の、主な建物は実は入り口から言えば行程の反対側、と言いますか、「尚古集成館」側に集まっています。「薩摩切子工場」も、そのギャリーショップ「磯工芸館」も、御殿とは反対側の駐車場周辺に集まっています。仙巌園は名所旧跡です。だから、博物館的に具体的な遺産遺跡、古文書を効率よく見たいなら尚古集成館に行けば早いのかもしれません。しかし、御殿の中にもその周囲の小さな建物すべてに、当時の生活の匂いを感じさせる文書や小物、調度品があふれています。

 

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#仙巌園#鹿児島県#鹿児島市#吉野町字磯#薩摩藩主#島津氏#別邸跡#庭園#磯庭園#約5ha#桜島#日本#九州#鹿児島#鹿児島湾#錦江湾

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尚古集成館

館内を紹介するパンフレットとなっている、入場券1枚で同時に入館することのできる「尚古集成館」を、ご案内します。

尚古集成館と薩摩切子

尚古集成館とは、島津家800年の歴史や文化を紹介する博物館のことで、慶応元年(1865年)に竣工した「旧集成館機械工場」の建物が使用されています。ここは、現存する日本最古の石造り洋式機械工場です。面積としては仙巌園ほど広い土地ではありませんが、中には資料がぎっしりと収められています。それぞれを丁寧に見て、読み進んでいると、おそらく1日ですべての情報を吸収することはできないでしょう。それほど、資料数とその密度において博物館としての高い役割を担っている場所です。館内の奥の方には薩摩切子の販売店が広く構えています。手前に小さなグラス、お猪口など、奥の方には大皿や現在でいうサラダボウルのような大きめの切子が販売されています。値段的には、とても立派なものでした。それだけ高い価値を持つということです。


仙巌園旅の感想

来館初心者向けの基本コースとしてパンフレット裏面には「おすすめコース」として、反射炉、正門、錫門、桜島展望ポイントと経由して、御殿、望嶽楼、曲水の庭……とさまざまに紹介されています。

私自身は90分以内にすべて回ることはできませんでした。この地を訪れる誰もが、「全部見るには時間が足りない」ことを感じるのかもしれません。ここでは季節ごとにさまざまな催しが行われ、体験するにはある程度の時間が要求されます。仙巌園のすぐ向かいには桜島があり、その向こうには霧島、霧島ジオパークがあり、霧島えびの周辺には、坂本龍馬が妻と辿った日本で初の新婚旅行のコースもあります。

1日で回りきることのできないことは、鹿児島観光の優れた点でもあります。何度でも、鹿児島に観光に訪れてください。