日本のヘルシーはもっと売れる
食の多様化を支援するフードダイバーシティ株式会社の横山です。
糖尿病は今や世界的な健康危機の一つとなっており、特にイスラム諸国や東南アジア諸国で深刻な状況にあります。経済成長に伴う生活習慣の変化や高カロリー食の普及が主な原因と考えられ、今後さらに問題が深刻化する可能性があります。
一方、日本は世界的に見ても糖尿病罹患率が低い国の一つです。バランスの取れた伝統的な食文化が評価されており、日本食は「健康食」として国際的な地位を確立しつつあるためです。
こうした日本の食文化の健康面での魅力を、ポストコロナ時代のインバウンド促進のための新たな切り口として活用できるのではないでしょうか。例えば、メディカルツーリズムの一環として、日本の食と適度な運動を組み合わせたダイエットプログラムを提案するなどのアプローチが考えられます。訪日外国人に健康的な生活習慣を身につけてもらえば、帰国後も日本食や食品を求める需要を掘り起こすことができる可能性があります。
日本の食文化は、単なる味覚の満足を超えて、健康重視の価値観を世界に発信できる魅力を秘めています。長寿と健康の国としてのイメージをアピールすれば、健康問題に悩む諸外国政府にとっても日本の取り組みは大いに参考になるでしょう。「ZEN」が世界に広まったように、日本食は単なる食の領域を超えて、美味しさと健康のバランスを重んじる価値観を世界に提案できる可能性を持っているのではないでしょうか。
著者
横山 真也
フードダイバーシティ株式会社 共同創業者
キャリアダイバーシティ株式会社 共同創業者
ヨコヤマ・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役
日本と海外での複数の起業が評価され、16年シンガポールマレー商工会議所から起業家賞を受賞(日本人初)
NNA ASIA経済ニュースコラムニスト
著書に「おいしいダイバーシティ~美食ニッポンを開国せよ~」(ころから株式会社)
ビジネス・ブレークスルー大学経営学部および東洋大学国際学部 非常勤講師