予算は過去3番目の規模を計上

食の多様化を支援するフードダイバーシティ株式会社の横山です。

2024年度の観光庁予算は、今年度比1.6倍超の約503億1,800万円となり、過去3番目の規模となりました。主な焦点は「持続可能な観光地域づくり」、「地方を中心としたインバウンド誘客」、「国内交流の拡大」に置かれています。人手不足解消のための省力化対策、外国人材採用、デジタルインフラ対策など、インバウンドだけでなく日本全体の課題に対応する内容と言えるでしょう。

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食の観点から2024年度予算で注目すべきは、8,000万円を計上した「インクルーシブツーリズム促進事業」です。この事業の目的は、「多様な食習慣や文化習慣を有する訪日外国人客の誘客促進と観光消費拡大」で、ベジタリアン、ヴィーガン、ムスリム等を対象としています。これまでにも対策は実施されてきましたが、「日本らしいヴィーガンメニューの開発」、「食のピクトグラムの整備」、「礼拝所の整備」など具体的な記述が含まれているのは初めてではないでしょうか。観光庁がコロナ禍明けよりインバウンドの高付加価値化を目指している中で、特定の訪日客への配慮を明記したことは画期的です。

来年度予算には、エリアブランディング、地方部での滞在促進、MICE(会議、視察、国際会議、展示会・見本市)の推進など、食に直結する事業が多数含まれています。地方の食は外国人客を魅了すると同時に、オーバーツーリズムの解消にもつながると期待されています。地方での食の売り込みには多額の費用はかからず、謙虚な接客と少しの工夫で訪日客を喜ばせることができます。つまり、インクルーシブツーリズムにおける食対応への投資はリターンが大きいのです。

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事例

ハラール・ベジタリアン・ヴィーガン等、食の多様性対応セミナー &メニュー開発支援 in 福岡県

「基礎→実践→集客」フードダイバーシティ株式会社が全国各地で行う活動とは?

著者

横山 真也
フードダイバーシティ株式会社 共同創業者
キャリアダイバーシティ株式会社 共同創業者
ヨコヤマ・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役
日本と海外での複数の起業が評価され、16年シンガポールマレー商工会議所から起業家賞を受賞(日本人初)
NNA ASIA経済ニュースコラムニスト
著書に「おいしいダイバーシティ~美食ニッポンを開国せよ~」(ころから株式会社)
ビジネス・ブレークスルー大学経営学部および東洋大学国際学部 非常勤講師