太平洋戦争の時を生きた幻の戦闘機がここに

愛媛の「紫電改展示館」という博物館をご存知でしょうか?ここは先の太平洋戦争において実際に用いられた戦闘機「紫電改」の、現存する実物が完璧に保存されている歴史的な場所です。海軍の最も優れた戦闘機と評価されるこの紫電改は、現在も当時の姿を保って残り続けていること自体がまず奇跡的なもの。日本の戦禍をくぐり抜けてきた紫電改の姿はとにかく強烈な存在感、そして有無を言わせないほどの歴史的価値を今もなお放ち続けています。

※新型コロナウイルス感染拡大防止対策に関する各施設のガイドラインや、営業時間等の変更がなされているところもありますので、ご注意ください。

当時の製造数は約400機。貴重な実機を生々しく保存

太平洋戦争末期に開発され、戦局における状況悪化が作用して当時400機ほどしか造られなかったという紫電改。昭和53年11月、愛媛県南宇和郡城辺町久良湾の海底に原型のまま沈んでいる姿が発見され、引き揚げられたその機体に一部補修・防錆塗装が行われ、展示館に保存されました。
愛媛の馬瀬山公園の中にこの展示館は存在します。入館料は無料で、館内最大の目玉である紫電改は館内中央に鎮座。様々な資料、紫電改にまつわる品々も多数網羅されています。

実機にしかない凄味と重味がとにかく印象的

紫電改の機体はまさにかつての戦時中を経験した一機であるが故の存在感、言い知れない迫力に満ちています。歴史上の戦闘機など航空機の展示といえば原寸大模型での展示の類いが多く普及していますが、やはり実機の存在が漂わせる凄味、質感の重味は相当に印象的です。
当時はこの紫電改がアメリカ軍の戦闘機とほぼ互角に戦っていたといいます。紫電改はかつてのゼロ戦を凌ぐ攻撃力と防御力を有しており、アメリカ側も紫電改に対し、当時のアメリカの戦闘機と同等以上の性能であるという評価を行っています。

戦争の時代を映し出す紫電改の姿に感じ入る

他の展示品も貴重なものばかりで、ゼロ戦から大きく進化した翼内タンクの実物や、機体の部品に関する実物も含めた詳細な展示、旧海軍343航空隊が所属した松山基地のジオラマなど、間違いなくここでしか体験できない充実の内容が保たれています。かつて日本が体験した戦争の時代とはどういったものであったのか、公正な展示によって深く知るひと時です。
世界でも既に4機しか残っておらず、日本ではこの展示館でしか見ることができない紫電改。百聞は一見に如かず、この紫電改が伝える大きな迫力を是非とも味わって頂きたく思います。

「紫電改展示館」基本情報

住所 愛媛県南宇和郡愛南町御荘平城689−1
電話番号 0895-72-3212
入場料 無料
営業時間 9:00~17:00
ホームページ https://www.nanreku.jp/site/ainan/shidenkai-tenjikan.html

交通アクセス

※以下のリンクをご参照ください

交通アクセス|紫電改展示館
https://www.nanreku.jp/site/ainan/shidenkai-tenjikan.html