アメリカ国内の大学(数百校)が2025年までに学食メニューの42%をプラントベースに移行することを発表しました。本声明は大手学食ケータリング会社の「Sodexo(本社:フランス)」と米国人道協会「HSUS」の連携によって実現しました。

Veg Newsより引用

Sodexoによると、2020年度CO2排出量(同社内)の70%が動物性食品によるものだと判明したことを皮切りに、プラントベースへの移行機運が高まったとのこと。現在は「2025年までにCO2排出量の34%削減」の目標を掲げており、プラントベースフードのメニュー開発に注力しています。

同社は140の大学でPlant-Based Takeovers programs (プラントベース移行プログラム)を実施し、学校内のスタッフや学生からフィードバックを集めています。Sodexo ChefのJennifer DiFrancesco氏は次のように語ります。

「どのプラントベースメニューをグランドメニューにしていくのかを決定する際、お客様から直接フィードバックを頂くことが重要です」

Sodexoのこれまでの取り組みを遡ると、2019年にはインポッシブルフーズのプラントベースミートを1,500箇所のカフェテリアで提供し、2020年にはプラントベースエッグのJUST Eggを7,500万人の消費者に提供しました。しかし、この時点ではあくまで「オプション」という位置付けに止まるものでした。

Veg Newsより引用

2021年からはベルギー、イギリス、フランスなど多国展開を開始し、2022年4月に満を持してアメリカ国内で本格導入(学食メニューの42%をプラントベースに移行)する旨を発表しました。

近年の傾向として、若年層の間でプラントベースに対する理解が広まっており、米国内の18〜25歳の23%がベジタリアンまたはヴィーガンの食事を選択しているとのこと(InnovaHealth&Nutrition Surveyによる調査)。こうした傾向を踏まえると、今後のプラントベースは「学校」からも急速に拡大していくのではないかと考えられます。

参考情報:Sodexoの食材選びについて

Sodexoによると、クノールプロフェッショナルと環境保護団体のWWF-UKが共同執筆した「Future 50 Foodsレポート」に記載されている食材を参考にしたとのこと。同書では栄養価や環境保護等の観点で評価の高いプラントベースの食材50が紹介されています。

Future 50 Foodsより引用

Sodexo Senior Vice President John Wright氏は次のように語ります。

「地球上に2万以上の食用植物がありますが、普段我々が食べているものは数十に過ぎません。今後の食の在り方は間違いなく変化し、新しい食べ方を発見する機会は無限にあります。」

Future 50 Foodsより引用

日本の食材としては「わかめ、のり、エノキ、マイタケ」等が紹介されており、とりわけ海藻類・きのこ類が注目されています。

引用元

42 PERCENT OF MENUS WILL SOON BE PLANT-BASED AT HUNDREDS OF COLLEGES AND UNIVERSITIES
https://vegnews.com/2022/4/college-menus-plant-based

著者

山崎寛斗(やまざき・ひろと)
プラントベースジャパン株式会社 代表取締役
「プラントベースで日本と世界を繋ぐ」をテーマに事業を展開。 海外のプラントベース企業の日本誘致や訪日ベジタリアン向けメディアなどの事業を手掛ける。 著:東京食素!美味蔬食餐廳47選、關西食素!美味蔬食餐廳55選、東京および関西のベジタリアンガイドブックを台湾で販売中。
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