日本の産業の近代化に大きく貢献した世界遺産
群馬県富岡市にある製糸工場。江戸末期に鎖国を解いた日本の最大の輸出品は生糸でした。日本の産業を支えるべく、国力を上げて造った工場が富岡製糸場です。当時としては世界最大規模を誇り、日本の産業の近代化に大きく貢献しました。絹産業の技術革新にも関わり、その功績から「富岡製糸場と絹産業遺産群」の構成資産として2014年に世界遺産に登録されています。また、敷地全体を含む、初期の建造物などが国の国宝、重要文化財として指定されています。
器械製糸工場の手本となった歴史的な価値
1639年(寛永16年)にスペインとポルトガルのキリスト教国の人の来航の禁止や日本人の東南アジア方面への出入国を禁止した鎖国が発令されました。以降1853年のペルー率いる黒船の来航があるまで鎖国は続きます。1854年に日米和親条約が締結され、日本はついに開国し、海外の国との貿易が始まりました。その頃の日本の最大の輸出品は生糸です。ヨーロッパの蚕の病気の大流行や太平天国の乱によって清の生糸輸出が滞るようになったこともあり、日本産の生糸の需要が急増します。日本はこれを機に増産に乗り出しますが、その反面、粗悪な生糸がたくさん出てくるという問題が発生しました。
諸外国から生糸の改善を求められた日本は、外貨獲得のために品質改善や増産できる工場の建設を急ぎます。民間資本での工場の建設は困難だったため、外国資本による工場建設を推し進め、外国人の指導のもと、フランスなどの海外の技術を取り入れた官営模範器械製糸場として、1872年(明治5年)に世界最大規模を誇る富岡製糸場が誕生しました。全国各地から工女を募り、富岡製糸場で伝習を終えた工女は出身地へ戻った後、現地での器械製糸の指導者となり、日本の産業の発展に大きな役割を果たしました。
日本と西洋の技術が融合した建造物
日本は富岡製糸場の建設にあたり、外国人の技術者をお雇い外国人として適任者を探していました。そこで名が挙がったのがエシュト・リリアンタール商会横浜支店の生糸検査人として働いていたポール・ブリューナでした。政府はブリューナに一連の建設を一任し、ブリューナは横須賀製鉄所のお雇い外国人だったエドモン・オーギュスト・バスチャンに建設の設計を依頼します。建設予定地の選定や建築資材の手配などには日本の実業家でもある尾高惇忠らが携わっています。
富岡製糸場の初期の頃の主要な建物は、木材や石、レンガ、瓦などで造られています。西洋の建築方法で煉瓦での壁の積み上げで造る「木骨煉瓦造」と日本の瓦葺きの屋根が建築に採用されていて、日本の職人による技術と西洋の技巧がうまく融合した素晴らしい建物です。観音開きの蝶番やガラス窓はフランスから輸入され、木材やレンガは日本のものが使われています。
富岡製糸場の国宝や重要文化財
建設当時のフランスやイタリアの製糸工場は繰糸器は150釜程度までが一般的でした。しかし、富岡製糸場はそれの倍の300釜もある巨大建造物で、当時としては世界最大規模のものでした。そのことからも日本産業の威信をかけて建設されたものだということが窺い知ることができます。
富岡製糸場には3つの国宝に指定されている建物があります。
繭から糸を取る作業が行われていた繰糸所は、長さ約140mもあり、フランスから導入した繰糸器が300釜もあります。工法にトラス構造を用いており、建物の中央に柱のない大空間が出来上がりました。
主に繭を貯蔵していた東置繭所は、長さが約104mもの巨大な繭倉庫で、1階は事務所・作業場として、2階は乾燥させた繭を貯蔵するのに利用されていました。
西置繭所は東置繭所と同様に2階に繭を貯蔵していた建物です。1階の北半分の東面は蒸気機関を動かすための石炭置き場として利用されていたため、東面には壁がありません。
この他に重要文化財として、指導者のブリュナが家族とともに居住していた首長館、ボイラーと蒸気機関が設置されていた蒸気釜所、生糸の検査などを担当したフランス人の技術者の住居である検査人館などがあります。
日本の近代化の一役を担った富岡製糸場。一見の価値ありです。
住所 | 〒370-2316 群馬県富岡市富岡1-1 |
---|---|
Tel | 0274-64-0005 |
休館日 | 年末(12月29日から31日まで) |
営業時間 | 9:00〜17:00(最終入場 16:30) |
入場料 | 料金大人:1000円 大学生・高校生:250円 中学生・小学生:150円 未就学児:無料 |
アクセス | ・車 東京から富岡市まで 練馬IC(関越自動車道)~藤岡JCT(上信越自動車道)~富岡IC(約75分) 新潟から富岡市まで 長岡IC(関越自動車道)~藤岡JCT(上信越自動車道)~富岡IC(約135分) ・電車 東京から富岡市まで 東京駅(上越・北陸新幹線)~高崎駅(乗換 上信電鉄)~上州富岡駅(約95分) 新潟から富岡市まで 新潟駅(上越新幹線)~高崎駅(乗換 上信電鉄)~上州富岡駅(約120分) 金沢から富岡市まで 金沢駅(北陸新幹線)~高崎駅(乗換 上信電鉄)~上州富岡駅(約170分) |
ホームページ | http://www.tomioka-silk.jp/tomioka-silk-mill/ |
この投稿をInstagramで見る
群馬県にあるハラールレストラン
BANGLADESH INDIAN CURRY バタチキホーム あがつま店
インドカレーの持ち帰り店。店内でもお召し上がり頂けます。 カレーライス490円や焼きたてナン150円を始めとして、 タンドリーチキン風「からあげ4個」240円、「からあげ弁当」430円と、お求めやすい価格にこだわりました。
特に「骨なしタンドリーチキン4個240円」は、価格、味ともに自慢の一品です。
皆様のご来店を心よりお待ちしております。
住所 | 〒377-0801 群馬県吾妻郡東吾妻町原町5116 |
---|---|
Tel | 0279-26-3172 |
営業時間 | 8:00~20:00 |
定休日 | なし |
ホームページ | http://www.batachiki.jp/ |
Halal Gourmet Japan | http://www.halalgourmet.jp/ja/restaurant/497363 |