社会的責任を果たしながら、新たな価値創造へ

近年、企業にとってサステナビリティレポートの重要性が急速に増しています。サステナビリティレポートは東京証券取引所プライム市場の上場企業や有価証券報告書提出企業に求められています。

その背景には、ESG投資の拡大、ステークホルダーからの透明性要求の高まり、そして持続可能な社会の実現に向けた企業の責任意識の向上があります。このような状況下で、企業は自社の持続可能性への取り組みを効果的に伝える手段としてサステナビリティレポートを活用しています。

そのような中、フードダイバーシティへの取り組みを記載する企業の例が増えています。ダイバーシティ&インクルージョンへの理解を示す目的であったり、新たな市場機会の創出につながる重要な要素であると認識されているからです。

国内企業では味の素グループや三菱食品株式会社が、海外企業ではユニリーバやネスレといった企業が、サステナビリティレポートにフードダイバーシティに関連する取り組みを記載しています。これらの企業は、多様な食のニーズに対応する製品開発や、持続可能な食システムの構築に向けた取り組みを報告しています。

今後、フードダイバーシティ対応は、比較的取り組みやすく、従業員や顧客の満足感を高めるアクションとして普及していくことが期待できます。食品業界だけでなく、ホテル、航空会社、イベント業など、幅広い業種でこの概念が取り入れられる可能性があります。

フードダイバーシティ対応は、その取り組みをサステナビリティレポートに盛り込むことで、社会的責任を果たしつつ、新たな価値創造の機会を示すことができるでしょう。

(文責:フードダイバーシティ株式会社・横山)

著者

横山 真也
フードダイバーシティ株式会社 共同創業者
キャリアダイバーシティ株式会社 共同創業者
ヨコヤマ・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役
日本と海外での複数の起業が評価され、16年シンガポールマレー商工会議所から起業家賞を受賞(日本人初)
NNA ASIA経済ニュースコラムニスト
著書に「おいしいダイバーシティ~美食ニッポンを開国せよ~」(ころから株式会社)
ビジネス・ブレークスルー大学経営学部および東洋大学国際学部 非常勤講師