フードダイバーシティ対応が経営に与える影響とは

ベジタリアン・ヴィーガン・ハラール等、フードダイバーシティに対応することは、飲食店や宿泊施設にとって重要な戦略の一つです。今回は対応することで享受できる3つのメリットについて説明いたします。

団体を獲得できる

まず、フードダイバーシティに対応することで団体客の獲得がしやすくなります。団体旅行やビジネスツアー、学校の修学旅行など、これらの団体には必ずと言っていいほどアレルギーを含めた食事のルールを持った方がいらっしゃいます。手配を行う旅行会社は、全員が満足できるようにお店を優先的に選び、且つ「言われたらやる」ではなく「常時対応メニューがある」という施設から交渉を行っていきます。

フードダイバーシティ対応の対象者が団体に1人でもいたら

Google等の評価点数がアップ

フードダイバーシティに対応することで、Googleなどの評価が上がりやすくなるというメリットもあります。昨今日本人のお客様から5点を獲得するのはとても難しい時代ですが、多様な食のニーズに応えることができるお店は、レビューサイトやSNSでの高評価を多く得ています。多くの旅行者は事前にGoogleなどで口コミを確認してから訪れるため、ポジティブなレビューが増えることは、結果として多くの新規顧客の獲得にもつながります。

日本人客から5点をつけていただくのは非常に難しいが・・・

リピート客の増加

最後に、フードダイバーシティに対応することは、リピート客の増加にもつながります。一度自らの食に適した満足度の高い食事経験をした顧客は、再度そのお店を利用したいと考えることが多くあり、結果的にお店の経営を安定させるファン層を形成します。実際、日本全国多くのお店がフードダイバーシティ対応したことで、多くのリピーターを獲得しています。

名古屋の大久手山本屋に頻繁に訪れる留学生

以上のように、日本の飲食店や宿泊施設がフードダイバーシティに対応することは、団体客の獲得、評価の向上、リピート客の増加といった多くのメリットをもたらします。多様な顧客ニーズに応えることで、より広範な顧客層にリーチし、ビジネスの成長を支えることができます。

著者

守護 彰浩(しゅご あきひろ)
フードダイバーシティ株式会社 代表取締役
流通経済大学非常勤講師

1983年石川県生まれ。千葉大学卒業。2006年に世界一周を経験後、2007年楽天株式会社に入社し、食品分野を中心に様々な新規事業の立ち上げに関わる。2014年、多様な食文化に対応するレストラン情報を発信する「HALAL MEDIA JAPAN」を立ち上げ、フードダイバーシティ株式会社を創業。ハラールにおける国内最大級のトレードショー「HALAL EXPO JAPAN」を4年連続で開催し、国内外の事業者、及びムスリムを2万人以上動員。さらに2017年からはハラールだけでなく、ベジタリアン、ヴィーガン、コーシャ、グルテンフリー、アレルギーなどに事業領域を広げ、全国自治体・行政と連携しながら普及のための講演活動、及び集客のための情報発信を行う。2020年には総理大臣官邸で開催された観光戦略実行推進会議にて、菅総理大臣に食分野における政策を直接提言した。著書に「開国のイノベーション」(株式会社スリースパイス)。

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