2024年に入ってから料理担当の参加が急増

弊社は年間を通じて全国各地で食の多様性に関するセミナーを開催しており、その多くで試食会を併せて実施しています。セミナーでは参加者に食の多様性の基礎知識を学んでいただき、その後の試食会で実際の料理を味わうことで具体的なイメージを持っていただくことを目的としています。

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フードダイバーシティ株式会社のセミナー等開催履歴

セミナー開催の様子

今年のセミナーでは、これまでとは異なる新たな特徴が見られました。それは調理担当者の参加が顕著に増加したことです。これまでは、店舗オーナーや店長、支配人といった店舗や事業全体の責任者が多く出席していました。しかし、今年のセミナーでは、実際に料理を担当するシェフや調理スタッフの参加が増え、現場での具体的な実践に対する関心の高まりを感じました。これにより、セミナーの内容がさらに実践的で現場に即したものとなり、より多くの参加者にとって有意義な学びの場となったと感じています。

ここで、あるセミナーと試食会で実施したアンケートの感想を紹介します。

「大変参考になりました。たくさん自社の課題も見つかり、良かったです。」
「ヴィーガンに対して難しいと考えていましたが、心持ち一つで大抵できる可能性があることがわかりました。」
「実際にシェフの話を聞けて、実験するような気持ちで楽しんで試してみたいと思いました。」
「難しく捉えていたけど、割と表現の仕方次第で簡単に取り組めると思いました。」

このアンケートからもわかるように、参加者は自社の課題を再認識すると同時に、食の多様性対応に対する新たな視点を得ています。特に、ヴィーガンメニューに対して「難しい」と感じていたものが、セミナーを通じてその取り組みが可能であると感じるようになったことが印象的です。参加者が試食会を通じて実際に料理を味わい、シェフの意見を直接聞くことで、理論だけでなく実践的な学びが得られたことは、今後のビジネス展開において非常に有益であると考えられます。

今年のセミナーは、調理担当者の参加増加により、より実践的で具体的な内容が強化され、参加者の学びの深まりが感じられるものとなっています。これにより食の多様性への対応が、理論から実践へとステップアップしているいえるでしょう。今後もこの流れを継続し、さらに多くの現場担当者が参加できるような内容を提供することで、食の多様性に対する理解と対応力を日本全体で向上させていきたいと考えています。

(文責:フードダイバーシティ株式会社・横山)

著者

横山 真也
フードダイバーシティ株式会社 共同創業者
キャリアダイバーシティ株式会社 共同創業者
ヨコヤマ・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役
日本と海外での複数の起業が評価され、16年シンガポールマレー商工会議所から起業家賞を受賞(日本人初)
NNA ASIA経済ニュースコラムニスト
著書に「おいしいダイバーシティ~美食ニッポンを開国せよ~」(ころから株式会社)
ビジネス・ブレークスルー大学経営学部および東洋大学国際学部 非常勤講師