世界18億人市場を誘致する

食の多様化を支援するフードダイバーシティ株式会社の横山です。

ムスリム旅行者は、もはやマイノリティではないと言えそうです。英国のメディア『British Muslim Magazine』は「ムスリム旅行市場に取り組むべき6つの理由」を報じました。

1. 急速に拡大している市場
2022 年ムスリム旅行者は1 億 1,000 万人に至り、全海外旅行者の 12% を占めました。この数は、23 年には 1 億 4,000 万人、24 年には 1 億 6,000 万人に増加すると予測されているからです。

2. ブランドイメージ
ムスリム旅行者への理解を示すことで、長期のロイヤルカスタマーを育てることができるからです。

3. 旅行先としての魅力向上
多様な旅行者を受け入れることは、旅行先としての魅力を高めることに繋がるからです。

4. 高額支出を期待できる
ムスリム旅行者は家族や団体で旅行することが多いため、高額支出を期待できるからです。

5. 競争上の優位性
ニーズに対してカスタマイズされたサービスを提供することは、他者との競合優位性に繋がるからです。

6. 社会的責任
世界的に必須となっている(ESG: 環境、社会、ガバナンス)への対応になるからです。

日本はムスリムに人気の旅行先ですが、まだムスリム旅行者はマイノリティとして見られがちです。

しかしながら、理由1で述べられていたように、世界の海外旅行者の12%に至っています。これをマイノリティと捉えて将来対応とするか、マイノリティではないと捉えて今対応するかでは大きな差が生まれます。

アーリーアダプターに対するサービスは数は少なくても収益は大きく、レイトマジョリティに対するそれは数は多くても収益は小さいのが常です。

ムスリム旅行者にとって「どの国へ旅行するか」は「どの国が理解している=信頼できるのか」と同義です。マイノリティだと切り捨ててしまっては後年後悔することになるかもしれません。

Why Tourism Boards Need To Embrace the Muslim Travel Market, 2023/6/17
https://www.britishmuslim-magazine.com/2023/06/why-tourism-boards-need-to-embrace-the-muslim-travel-market/

著者

横山 真也
フードダイバーシティ株式会社 共同創業者
キャリアダイバーシティ株式会社 共同創業者
ヨコヤマ・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役
日本と海外での複数の起業が評価され、16年シンガポールマレー商工会議所から起業家賞を受賞(日本人初)
NNA ASIA経済ニュースコラムニスト
著書に「おいしいダイバーシティ~美食ニッポンを開国せよ~」(ころから株式会社)
ビジネス・ブレークスルー大学経営学部および東洋大学国際学部 非常勤講師