司馬遼太郎氏の名作がテーマ。美意識が光る博物館

戦国時代や幕末明治の世界を丹念に描く名手・司馬遼太郎氏の代表作「坂の上の雲」。この作品がテーマとなった歴史博物館が愛媛にあります。
「坂の上の雲ミュージアム」と名付けられたその博物館は、安藤忠雄氏の設計した館内の類い稀なるデザイン性、明治時代の松山の様子についての丁寧な展示の数々が印象的。豊かな歴史のエネルギーを沸々と放つような美意識が光るこのミュージアムは、まさしく愛媛観光の一ページとして加えて頂きたいスポットです。

※新型コロナウイルス感染拡大防止対策に関する各施設のガイドラインや、営業時間等の変更がなされているところもありますので、ご注意ください。

安藤忠雄氏の設計美が凝縮された館内へ

表参道ヒルズやJRユニバーサルシティ駅といった建物を手掛ける安藤氏ならではの、光り輝くガラス張りの外観。少しの緊張感を漂わせた美しさがまず印象的です。
少し長い距離のスロープに導かれるように足を運んでいくと、エントランスホールに入り、三層の吹き抜けの空間が待っています。外界からの光が緩やかに降り注ぐその空間からして、館内は実に雰囲気たっぷり。随所に三角形の縁取りをモチーフとしたオブジェクトが並び、スタイリッシュな統一感が見事に演出されています。

隅々まで充実の展示。夢中にさせる建築のロマン

展示の数々にも注目です。まず館内の壁一面には司馬氏が当時新聞に連載していた「坂の上の雲」、その当時の記事が張り巡らされています。レトロな挿絵も含めてひとつひとつが趣深く、積み上げられたアーカイブの膨大さにはとにかく圧倒されてしまいます。
他にも4階から2階へ下りる階段は階段の支えとなる梁をあえて組まず、通常の階段よりもさらに緻密な設計を築き上げ、浮遊感のある芸術的な作りを実現。窓の外から見える大正時代のフランス風洋館「萬翠荘」の威厳と幻想性が合わさった様子も、古き時代の日本にタイムスリップさせていくような感覚があります。

完璧な建築美に映される変革期。独自のミュージアムがここに

館内の無料スペースとして、2階フロアの「ライブラリー・ラウンジ」は観覧券なしでも利用が可能。ここでは明治時代に関する書籍や資料を読むことができ、椅子席も完備されているので休憩スペースとしても充分に機能しています。また館内では随時様々な企画展も行われており、こちらをチェックしていけばより深く「坂の上の雲」の時代の様相について知ることができることでしょう。
どこをとっても完璧な建築美に変革期の時代が映し出された、学び溢れるこのミュージアム。まさに愛媛、ひいては中国・四国随一の芸術的スポットです!

「坂の上の雲ミュージアム」基本情報

住所 愛媛県松山市一番町三丁目20番地
電話番号 089-915-2600
入場料 一般 400円
高齢者 200円
高校生 200円
営業時間 9:00から18:30まで(入館18:00まで)
休館日 毎週月曜日(休日の場合は開館)
ホームページ https://www.sakanouenokumomuseum.jp

交通アクセス

※以下のリンクをご参照ください

交通アクセス|坂の上の雲ミュージアム
https://www.sakanouenokumomuseum.jp/guide/access/