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フードテック最前線 in シンガポール

こんにちは、フードダイバーシティ株式会社の守護です。弊社はヴィーガン・プラントベース分野にて講演、プロモーション、商品プロデュース等を支援しております。

今回、世界で唯一培養肉の販売を許可しているシンガポール(2023年4月時点)にて、レストランHuber’s Bistroが提供する「Good Meat」を食べて参りました。
※Good Meatは植物性卵Just Eggなどの製造販売を手掛けるEat Just社の商品となります。
※シンガポール政府が培養肉の販売許可を出したのは2020年12月

そもそも培養肉とは、動物細胞を培養して生産する食肉のことを指します。通常の肉と同じ見た目、味、栄養価ですが、動物を屠畜せずに食肉を作ることができ、将来的には持続可能な肉の生産方法として注目されています。

本記事にてその詳細をご紹介したいと思います。

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Huber’s Bistro 外観

店頭での表記

どのようなメニューで提供?価格は?味は?

インターネットで諸々と情報を調べていると、過去にシンガポール国内でも数店舗がテスト販売をしていることは分かりましたが、2023年4月時点で提供しているのは「Huber’s Bistro」のみです。そして、Good Meatに関しては必ず事前予約が必要となりますので、要注意です(予約はこちらから)。

現状メニューは2つのみです。

・Good Meatサンドイッチ
・Good Meatパスタ

価格は18.50シンガポールドルで、日本円に換算すると1832円(1シンガポールドル=99円換算)です。

Good Meatのメニュー

注文してから待つ間、レストランに常駐しているEat Just社のスタッフがテーブルにきて、アンケートに答えてほしいという依頼がありました。アンケート内容は「どうやってGood Meatのことを知ったのか」「なぜ食べようと思ったのか」「食べるにあたっての懸念点はあるか」などおよそ10項目ほどのものでした。

Good Meatを使用したパスタ

15分ほど待って、いよいよ料理が運ばれてきました。7、8切れでしょうか、揚げてあるGood Meatがパスタに入っています。

早速食べてみるも、分かっていたことではありますが味や食感も鶏肉です。

よく「言われないと代替肉だと分からない」という表現が使われることがありますが、これは完全に鶏肉であり、感想としてはそれ以外の表現ができません。

Good Meatの繊維感

培養肉の分野は注目が高まる一方で「培養肉はヴィーガンなのか?」「培養肉はハラールなのか?」「培養肉はコーシャなのか?」などの議論が各国で活発化してきています。これについては様々な意見があるようで、現状これといった見解がいまいち出ていません。

実際、本レストランに「Good Meatはヴィーガンですか?」と聞いてみると「There are a lot of opinions」と言われ、最後に「Personal decision(個人の判断)」と付け加えられました。

しかしながら、本取り組みは昨今話題となる気候変動対策であったり、シンガポールやイスラエルなどの食料自給率が低い国における対策としても、注目度が上がってくることは間違いないと思います。

また一方でイタリア政府では食文化保護の理由で、培養肉を禁止する動きも出てきたりなど、今後の動向に注目です。

著者

守護 彰浩(しゅご あきひろ)
フードダイバーシティ株式会社 代表取締役
流通経済大学非常勤講師

1983年石川県生まれ。千葉大学卒業。2006年に世界一周を経験後、2007年楽天株式会社に入社し、食品分野を中心に様々な新規事業の立ち上げに関わる。2014年、多様な食文化に対応するレストラン情報を発信する「HALAL MEDIA JAPAN」を立ち上げ、フードダイバーシティ株式会社を創業。ハラールにおける国内最大級のトレードショー「HALAL EXPO JAPAN」を4年連続で開催し、国内外の事業者、及びムスリムを2万人以上動員。さらに2017年からはハラールだけでなく、ベジタリアン、ヴィーガン、コーシャ、グルテンフリー、アレルギーなどに事業領域を広げ、全国自治体・行政と連携しながら普及のための講演活動、及び集客のための情報発信を行う。2020年には総理大臣官邸で開催された観光戦略実行推進会議にて、菅総理大臣に食分野における政策を直接提言した。著書に「開国のイノベーション」(株式会社スリースパイス)。

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