変革を迫られるホテル朝食

こんにちは。食の多様化対応を支援しておりますフードダイバーシティ株式会社の守護です。

2020年5月に入ってから日本全国のホテル様から問い合わせが一気に増えました。

・ビュッフェが当分出来なくなったから、朝食の体制を見直さなければいけなくなった
・非ビュッフェでフードダイバーシティにどのように対応していくべきでしょうか

このような問い合わせです。要はこれまでのビュッフェ形式でベジタリアンやムスリムのお客様に食べられるものを「選んで頂く」ことが難しくなったわけです。ホテル側としてはやはり「弁当 or プレート対応」を検討されていますが、心配をしているのは下記です。

・ハラールやベジタリアン弁当など、弁当の種類を増やすと手間・コスト増(人手不足でオペレーションは増やせない)
・ハラールやベジタリアン弁当などが「できない」というと、満足度が下がる or そもそも宿泊先として選ばれないのでは

弊社の答えは一貫して「一般客に提供する食事を、より多くの方が食べられるような設計にしませんか」です。
本日はその対応方法の詳細についてご説明していきたいと思います。

より多くの方が食べられるような設計とは?

※掲げたい衛生管理ポリシーはこちら
※上記を実現する商品カタログはこちら

弊社がご検討下さいとお伝えしているポイントは「レベル1~レベル5」のどこで調理をするかです。
ポイントは「特別食」の対応をどれだけ減らしていくかで、実際にレベル1の「肉を使わない」が最初の第一歩です。詳細を見ていきましょう。

レベル1はお肉を使用しないこと

レベル1はお肉を使用せずに調理をすることで、これだけでも「ゆるベジ」と言われる肉を減らすことを意識している人まで網羅することができます。しかしレベル1の話をすると、よくホテル側から「ベーコンやソーセージがなくてもいいのでしょうか」と言われます。
私からは逆に「ベーコンやソーセージを使った朝食は宿泊数を左右するほどの要件でしょうか」とお聞きすると、明確な答えは頂けません。実際にコロナが蔓延する前にレベル1に対応したホテルもあるのですが、満足度や予約状況も含めて「何の影響もない」とのことでした。そもそも「朝から肉を絶対に食べないとダメだ」という日本人の数は多くないですし、コロナの影響で健康志向が高まる中、必要性は考え直すときだと思っています。

レベル2はアルコール調味料使用しないこと

レベル2はそこからみりんや料理酒などのアルコール調味料を使わないことです。それらの代わりや砂糖やデーツシロップを使います。
ここまで対応すると、「一般客」と「ゆるベジ」に加えて、「ムスリム(イスラム教徒)」まで対応ができます。

レベル3は魚介類を使用しないこと

レベル3は魚介類を使わないことです(出汁も含みます)。魚出汁などもキノコ出汁などに変更するなど、ここからは従来の調理方法まで見直すステージになりますが、ここまでできれば「ベジタリアン」もカバーできるので、相当多くのお客様が網羅できます。
※レベル2でアルコールも除去しているので、キノコ出汁に酒が入っていないのか要注意

レベル4は乳製品、卵を使用しないこと

ここまでやれば「ヴィーガン」まで対応ができますが、バターやチーズ、卵なども使えないので、朝食を作るには結構なハードルになってきます。
これって一体どういう料理になるのだろうか?と思われる方は、ヴィーガンレストラン世界一に輝いた菜道さんに行かれることをお勧め致します。

レベル5は小麦、そば、落花生を使用しないこと

「そば」と「落花生」の不使用は難しくないと思いますが、和食を作るにあたっては、醤油や味噌などの基礎調味料の多くに小麦が使われていることが多いので注意が必要になります。
ここまでやれば更に7大アレルゲンフリーにもなるので、理論上はほとんどの方が食べられるようになります。
グルテンフリーの醤油グルテンフリーの味噌

こういったメニューはどうですか?

例えばレベル4でやろうとしたらこういったメニューがやりやすいのではと考えています。あくまでもご参考まで。

和食例
・ご飯   ・煮物
・味噌汁  ・豆腐
・納豆   ・果物
・海苔

洋食例
・パン   ・ベジタブルペンネ
・スープ  ・果物
・ポテト
・サラダ

また、カレーをベースに考えるのも一つです。
例えばヱスビー食品のフードダイバーシティカレーは「アニマルフリー&アルコールフリー(更に化学調味料フリー)」なので、レベル4までは全てクリアしていますので、トッピングだけで調整していく方法もあります。

以上、長文乱文となりましたが、Withコロナ対策を進める企業様にとって有益な情報になっていれば幸いです。
また実際に進めていくにあたっても、弊社としても出来る限りのサポートを行いますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。