相手の立場になって考える
食の多様化を支援するフードダイバーシティ株式会社の守護です。
最近「インドネシア人はハラールについて厳格じゃないから、食事はノンポークだけで大丈夫」という某旅行会社からのアドバイスを聞いて、インドネシアからのFAM TRIPを実行した某地域から下記のようなご相談をいただきました。
相談内容
・情報発信を依頼するも、全然情報発信してくれない(景色のみは発信してくれる)
・食べ物はかなり残された
・アンケートでは「ハラールがなかった」と書かれる
また、FAM TRIPを企画・手配した某旅行会社から「インドネシアの方に(地域名)は合わないようだ」という報告書が上がってきたのだが、これはどのように解釈したらよいのか。
私がお伝えした内容は以下の3点です。
FAM TRIPの際に注意すべき3点
1、「厳しい」「緩い」などの判断を勝手に行わない
こちらについて詳しくは以下の投稿をご覧ください。
本日は、100名を超える日本企業・学校の前で講演をします。「インドネシア人ムスリム」について。
Xでも前話題にもあがりましたが、「インドネシアのイスラムは緩い」という迷信が日本の業界でも広がっています。… pic.twitter.com/HYzhDT00ui
— Kaiji Wada |インドネシア × 人材領域 (@tokyobandung) June 6, 2024
2、自分が食べられるものと、SNSなどで発信できる情報は異なる
本人は食べるのを問題ないと判断した食べものでも、不特定多数が見るSNSにおいて、誰かから指摘が入る可能性のある食べものは情報発信できないというケースは多々あります。ムスリムの方に情報発信をしてほしいなら、堂々と情報発信ができる状態で食事を提供する必要があります。
3、食べたいものを理解する
例えハラールに対応したとしても、魚料理、インドカレー、ケバブ、精進料理だと、ムスリムの方にとって確かにCan Eatではありますが、Want to Eatではないので、当然ですが満足度は低くなります。これは日本人がフランスにFAM TRIPに招待されて、味噌汁を出されるようなものです。
FAM TRIPの満足度を上げるためには、しっかりとお客さまの望むメニューを提供する必要があります。
ムスリムのファムトリップ、本当に「インドカレー」「精進料理」でいいんですか?
以上をお伝えしたところ「とてもよく理解ができましたので、受け入れ態勢を一から作ります」とのことでした。
著者
守護 彰浩(しゅご あきひろ)
フードダイバーシティ株式会社 代表取締役
流通経済大学非常勤講師
1983年石川県生まれ。千葉大学卒業。2006年に世界一周を経験後、2007年楽天株式会社に入社し、食品分野を中心に様々な新規事業の立ち上げに関わる。2014年、多様な食文化に対応するレストラン情報を発信する「HALAL MEDIA JAPAN」を立ち上げ、フードダイバーシティ株式会社を創業。ハラールにおける国内最大級のトレードショー「HALAL EXPO JAPAN」を4年連続で開催し、国内外の事業者、及びムスリムを2万人以上動員。さらに2017年からはハラールだけでなく、ベジタリアン、ヴィーガン、コーシャ、グルテンフリー、アレルギーなどに事業領域を広げ、全国自治体・行政と連携しながら普及のための講演活動、及び集客のための情報発信を行う。2020年には総理大臣官邸で開催された観光戦略実行推進会議にて、菅総理大臣に食分野における政策を直接提言した。著書に「開国のイノベーション」(株式会社スリースパイス)。
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