多くのハラール認証機関の見解は?
昨今、日本の伝統的な発酵調味料である醤油や味噌は世界中で広く流通していて、その独特な味と風味は和食の枠を超えて世界中の様々な料理に使用されています。しかしながらイスラム教徒の中で「発酵調味料はアルコールが含まれるからNGではないか」という議論がこれまで多くされてきました。
そんな中、ここ10年でハラール認証の醤油や味噌なども販売されるようになりましたが、上記の懸念はどのように整理されたのでしょうか。
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発酵調味料はどのように考えるべきか
結論から申しますと「醤油や味噌の製造過程で自然発酵するアルコールは、イスラム法に基づき許容される」と、日本と海外(マレーシアJAKIMを含む)のハラール認証機関が正式に発表しています。
また同時に、製品の保存や風味の安定化を目的として「人工的に添加されるアルコールがNG」ということも発表しています。
※ただし、輸出の際は「残留アルコール」が基準になる国もあります
そもそもですが、イスラム圏にも自然発酵による調味料や食材が多く存在しており、例えば、テンペ、ヨーグルトなども当然発酵過程で自然に生成されるアルコールが含まれていますが、宗教的に問題視されることはありません。日本の発酵調味料においてこのような議論が起きたのは「ハラール認証機関にとって、醤油や味噌が未知のモノだった」というだけの話です。
当然ながら、ハラール認証が無くても人工的にアルコール添加をしていない醤油や味噌は一般的なスーパーに流通していますので、仕入れについても困ることはありませんし、味が変わることもありません。難しく考えないことが重要になります。
※ハラール認証のある醤油や味噌については、高額なハラール認証費用が価格に乗せられているため価格は上がる傾向にあります。