激動の社会に飛び出す学生たちへ

2023年5月24日(水)に「フードダイバーシティ対応を聞いて、食べて学ぶ特別講座」と題した講義が、福島県は郡山の国際ビューティ&フード大学校で開催され、シェフ学科、パティシエ学科、パン&カフェ学科、調理師学科、製菓衛生師学科の生徒が参加しました。尚、本講義NHKの取材も入りました。
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プログラム

「ヴィーガン、ハラール、アレルギーなどフードダイバーシティの基礎を学ぶ」(60分)
講師:フードダイバーシティ 株式会社 代表取締役 守護 彰浩 氏

「ヴィーガン出汁の作り方と卵不足および高騰対策」(120分)
講師:株式会社 Funfair フードスペシャリスト・菜道チーフシェフ 楠本 勝三 氏

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See Also

【第1回】フードダイバーシティ対応を聞いて、食べて学ぶ特別講座 in 国際ビューティ&フード大学校 開催レポート

【第2回】特別講座「ヴィーガンフード&スイーツコンテスト」 in 国際ビューティ&フード大学校 開催レポート

当日の様子

フードダイバーシティ対応の基礎情報

まず弊社代表守護から世界のフードダイバーシティ市場や、ルールの全体感、ベジタリアンをベースに考えること、お客様のニーズ、具体的に使用できる食材や調味料の選び方、さらに違いよりも共通点を見て考える必要性が語られました。

また、ヴィーガンメニューであったりハラールメニューなどの専用メニューを作る必要はなく、ペペロンチーノのベーコンをキノコに変更したりなど、難しく考えないことが重要だと説明されました。さらにはヴィーガン対応をしっかりと行うことで、約7割のアレルギー対策にもなることなども説明され「共通点をしっかり意識すれば色々応用ができそう」という声が上がりました。

共通点を見る考え方

ペペロンチーノはベーコンをキノコに変更するだけで多くが食べられるようになる

ヴィーガンとアレルギー対応の親和性

ヴィーガン出汁の作り方と卵不足および高騰対策

続いては世界一のヴィーガンレストランの称号を持つ菜道の楠本シェフからは、料理の基本となる出汁の作り方と、昨今飲食業界を騒がせる卵不足・卵高騰の対策について講義が行われました。

楠本シェフから伝えられたポイントは以下の通り。
・動物性や魚出汁が使えないからといって、醤油や塩などの基礎調味料に頼ると大抵失敗する。焦らずに旨みを地道に積み重ねていく。
・料理次第では出汁は濁らせてもいい。とにかく旨みを取り出すことを重視する。昆布やキノコなどもミキサーかけて使えばより深い味が出せる。アクの味もしっかりと確認して引くべきか決める。
・凝固作用についてはもともと卵を使用しない和菓子のレシピ等を紐どくと色々見つかる。
・ヴィーガンゆで卵は様々な凝固作用を研究して、食感を合わせながら作った。
・様々な食材に触れる機会を増やして、アンテナを高めていくことが重要。

また、最後に楠本シェフからアメリカのロサンゼルスで絶大な人気を誇った「豚骨風ラーメン」が提供され、3時間にも渡る講義は終了となりました。

試食で披露された豚骨風ラーメン

ラーメンを準備する楠本シェフ

ラーメンを準備する楠本シェフ

実食を行う生徒

参加者からは「卵不足など食の環境が変わっているので、社会に出る前に情報を知れてよかった」「ヴィーガンでも味がここまで出せることに驚いた」「食材への探究心をもっと上げていきたい」などの声が上がり、また終了後は質問も多く飛び交い、熱気を帯びたままセミナーは終了しました。尚、今後も国際ビューティ&フード大学校としては食の多様化を推進していくとのことです。

楠本シェフと生徒