ムスリムが一年で最も楽しみにしている一ヶ月、ラマダン
聖なる月と言われるラマダン月は、ムスリムにとってはとても大事な月です。ラマダンについては少しでも理解すると、日本にいるムスリムとのお付き合いやムスリムスタッフへの配慮などが行いやすくなります。
↓ハラールやラマダンを学ぶ推奨本
ラマダンとは?
イスラム教徒は一年に1ヶ月だけ断食をしますが、その断食月のことを「ラマダン」と呼びます。ここで注意していただきたいのは、「断食=ラマダン」ではなく、「断食”月”=ラマダン」です。つまり断食という行為自体ではなく断食”月”のことを表しているため、「ラマダンをする」という表現は誤りになります。
また、「ラマダン=飲食禁止月」というイメージも広まっていますが、飲食だけでなく、内面的な虚言や嫉妬・怒りなどの感情を抱くこと、性行為することなども禁じられています。むしろ、ラマダン中にクルアーンをたくさん読んだり、お祈りをすることでたくさんの徳を得ることができるのです。
関連記事
ムスリム社員を抱える日本企業がラマダン中に気をつけることは? 押さえておきたい3つのこと
https://fooddiversity.today/article_109601.html
2023年のラマダンはいつから?
さて、みなさんが気になる2023年のラマダンの期間についてです。
2023年のラマダンの期間は、
開始:2023年3月22日水曜日
終了:2023年4月20日木曜日
とされています。
*国や地域、イスラム団体によって日にちは異なります。
*新月の観測の状況によって日にちは異なります。
ラマダンの始終日は月の位置によって変動しますので、予想される日にちの前日に月の位置を確認してから発表されます。誰が発表したかと言いますと、ムスリムの多い国々では政府機関、日本では海外の政府機関と連携している民間団体「Ruyatl-e-Hilal Committee-Japan」です。
関連記事
Eid Mubarak!日本におけるヒジュラ暦1443年シャウワール月の第一日は2022年5月2日と決定https://fooddiversity.today/article_112236.html
日本のあるムスリムのラマダンの1日
ラマダンはムスリムにとって信仰を高めるチャンスの期間になります。夜の礼拝後に行うタラウィーフ礼拝やウィトル礼拝、深夜に行うタハジュッド礼拝などの礼拝に時間を捧げることが多くあります。また、断食に伴い、イフタールやサフールといった通常とは異なる食事の慣習もありますので、ラマダン中のライフスタイルに身体が慣れるまで時間がかかる人も少なくありません。
下のスケジュールは、ある都内のムスリム男性の2022年ラマダンの1日の流れです。
2時30分 | 起床 |
3時00分 | 断食前の食事(サフール) |
4時00分 | 日の出前の礼拝(ファジュル)、クルアーン読誦 |
4時30分 | 就寝 |
7時30分 | 起床 |
9時00分 | 出社・勤務開始 |
12時00分 | お昼の礼拝(ズフル – 約10分) |
15時30分 | 昼過ぎの礼拝(アサル – 約10分) |
18時00分 | 退社・勤務終了 |
18時15分 | 断食明けの食事(イフタール) |
18時30分 | 日没時の礼拝(マグリブ – 約10分) |
20時00分 | 夜の礼拝&合同礼拝(約90分) |
22時00分 | 軽食 |
23時00分 | 就寝 |
関連記事
2021年ラマダンはいつから?今さら聞けない「ラマダン」の7つのこと
https://fooddiversity.today/article_87047.html
2022年の断食月「ラマダン」はいつから?ラマダンの食事にまつわる3つの慣習
https://fooddiversity.today/article_98057.html