コロナでどう変わる?フードダイバーシティ市場 〜2021年を予測〜

こんにちは。食の多様化対応を支援しておりますフードダイバーシティ株式会社の守護です。
まだまだ新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう中で、インバウンド回復の見通しは不明瞭な状況ではありますが、ベジタリアン・ヴィーガンの市場は日本国内で引き続き大きく動くと考えております。そこで今回は弊社が考える「2021年に市場はこう動く!」という4つの予測をまとめました。

1.ヴィーガンに興味を持つ日本人が増えて、「ヴィーガンオプション」を導入したお店が売上を伸ばす

2020年、ヴィーガンという言葉が世界中で大きく取り上げられたり、日本でも多くの芸能人から発信されたことで、日本人でも言葉の意味を知り、興味を持つ方が増えてきたのではないでしょうか。世界的にもこの流れはまだまだ続くことが予想され、2021年は焼肉ライクさんや俺のシリーズさんのようにヴィーガンオプションにも対応するお店が売上を伸ばしていくと考えています。ただしビジネスとして意識したいのは、母数としては少ない完全ヴィーガンの方々よりも「週1日から意識しよう」「無理せず少しずつ考えたい」という方々を如何に集客するかです。完全ヴィーガンのお店を作りましょうという話では決してなく、あくまでも「選択肢を提供する」というスタンスのお店が重要になってくると思います。

京都御所の事例

2.参入者が増え、ヴィーガン商品の味にシビアな評価がされる

これまでは新しい市場ということもあり、代替肉なども含めて「ヴィーガンに対応した商品」というだけで注目されてきましたが、2021年以降は参入者が増えることにより、消費者の評価軸は「味」に移行すると考えています。つまり「地球環境に優しい」「体に優しい」等を推したマーケティングでは差別化が難しくなってくると感じています。これまでなんとなく通用してきた「言われないと分からない」「普通に食べられる」レベルのものは淘汰が始まっていくのではないでしょうか。下記図の通り外食は「Good」では勝てません。

3.1と2に付随して、プロのシェフが多く参入する

1で導入店舗が増えて、2で味にシビアな評価を受けるということは、差別化となるポイントはシェフのスキルになってくるのではないかと考えております。ここまではヴィーガン関係はカフェ業態がメインで、レストラン業態はとても少なかったのですが、いよいよレストラン業態で腕を振るうシェフが参入してくることが予想されます。何故ならば弊社にも「これまでも諸々の要望はあったけど、腰を据えて取り組む時間がなかったが、今こそしっかり取り組みたい」という相談が増えてきており、この新型コロナウイルス感染症で空いた時間を研究に充てたシェフは少なくありませんでした。ここが動くと一気に業界全体のレベルが上がってくると思いますので、とても楽しみです。

『菜道』楠本 勝三シェフがヴィーガン業界に参入し、たった1年でHappyCow世界1位の称号を獲得

4.アフターコロナ対策で日本全国がサスティナブルツーリズムを意識し、特にフードロス削減に取り組む

アフターコロナに多くの旅行者から注目される「サスティナブルツーリズム」を日本全国が意識をするようになり、特に年間日本だけで2,550万トンとされるフードロスについて飲食店、ホテル、旅館が本格的に着手するのではないでしょうか。特にこれまで食べ切れないほど多くのメニューを提供してきた旅館などでも「アラカルトメニュー」や「ショートコース」の導入したところが、これからインバウンドだけではなく日本の消費者に選ばれていくと考えています。ちなみにミシュランの評価軸でも2020年から「サスティナブル」が加わっております。

フードロスは見られ方が厳しくなる

以上となります。

これらの予測を基に、2021年も弊社フードダイバーシティ株式会社は事業者様に最適なソリューションを提供できるよう全力を尽くして参りたいと思います。2020年も本当に多くの皆様よりよご支援を頂きまして誠にありがとうございました。2021年も引き続き何卒よろしくお願い致します。