インバウンドを加速させたいなら、脱!Onlyインバウンド
こんにちは、フードダイバーシティ株式会社の守護です。
今年もおかげ様で全国を講演で周らせてもらっています。
https://fooddiversity.today/history
弊社は主に「インバウンド」で講演依頼を頂くことが多いのですが、私の講演で必ず使うスライドがこちらです。
何故ならばインバウンド単体で取り組むよりも、大きい枠で多面的に考えたほうが街としての成果が出やすいからです。
それは逆にいうとインバウンドだけで生める成果には限りがあるということです。
何故フードダイバーシティに取り組むべきか?については、上記のように4つの軸があり、これらは実は掛け算で考えることでより大きな成果になります。
1.外国人在住者(街としての理解)
意外と見落としがちなのはこちら。留学生も含めて地域在住の外国人にもムスリムやベジタリアンは多くいらっしゃいます。
私は全国で「在住者が満足できない街には、旅行者は絶対に呼べない」とお伝えしています。
何故ならば全世界への口コミを発信してくれるのは、その地域の在住者だからです。
また、お店がハラールやベジタリアンに対応して最初に来て下さるお客様も在住者ですし、地域の魅力を客観的に見て下さるのも在住者です。
2.インバウンド
言わずもがな、街として外貨を稼ぐために重要な施策です。
その中で、世界中の人に地域の食を楽しんでもらうためにフードダイバーシティが必要になります。
観光客数増(対応店がないところには来ません)、観光消費額増(安心して食べるものがなければ消費しません)において大きな効果を発揮します。
3.企業の人財確保(雇用主としての理解)
これからの時代に、日本人を安定的に雇用するのは難しくなると思います。
人財確保のためにも、外国人雇用のための受入環境整備がとても重要になります。
「何も配慮しないけど働いてください」は通用せず、しっかりと宗教、文化、習慣に配慮する企業が安定した雇用を確保致します。
企業に外国人人財が定着すれば、世界との距離も一気に近づき、企業のグローバル化にも大きく貢献します。
4.輸出
インバウンドにも付随しますが、お土産は「輸出」です。
つまりインバウンドで来る旅行客に売れるものは輸出をしても売れる可能性が高いのです。
逆にインバウンドで売れないものは輸出しても売れる可能性は低いです。
インバウンドはつまり輸出のテストマーケティングとしてとても効果的であり、輸出をしっかりと成功させることで地域産業を持続可能にすることができます。
脱!Onlyインバウンドが急務
上記の4軸で考えると、自治体・行政においても観光課だけで取り組める範囲の限界が来ており、現在も「観光課以外の方とも連携したい」とお伝えしています。
「フードダイバーシティ」は世界中のみんなが楽しめる街づくりの取り組みであり、街が持続可能になるための取り組みです。
私はインバウンド単体で考える地域から今後は成果が出せなくなるという風に予想しています。
2019年は全国の自治体・行政が「フードダイバーシティ対応セミナー」を開いてきましたが、ここ数年で局面が変わり「ムスリム」「ベジタリアン」等に特化したセミナーはほとんどありませんでした。
この流れは今後も加速することが予想され、2020年以降は「インバウンド」もOne of themとして位置づけるセミナーが増えていくと考えていますが、それにあたっては縦割り組織だと厳しい局面を迎えるかもしれません。
インバウンドを加速させたいなら、脱!Onlyインバウンドが重要になり、複合的に外国人在住者や外国人人財を活かし、さらに地域産品の輸出も絡めて、街全体で戦略を組んでいくべきです。