国際大会の受入環境整備を考える
4年に一度、世界中が熱狂するFIFAワールドカップ。2026年大会はカナダ、メキシコ、アメリカの3カ国で開催され、史上初めて48チームが出場する大会となります。
ワールドカップはサッカーの祭典であると同時に、世界中の文化、人種、宗教、ライフスタイルが集まる場でもあります。そこで欠かせない視点が、フードダイバーシティです。

選手のルーツは多様化している
近年の代表チームを見ると、国籍だけでは選手のルーツや文化的背景を判断できなくなっています。
欧州代表であっても、アフリカや中東、カリブ地域などにルーツを持つ選手は珍しくありません。生まれ育った国、家族の出身地、信仰、家庭での食文化など、選手一人ひとりの背景は多様です。
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選手の食も多様化している
多様化しているのはルーツだけではありません。選手の食事もまた、多様化しています。
ムスリムの選手であれば、ハラール対応の食事が必要になります。ヴィーガンやベジタリアンの食生活を選ぶ選手もいます。また、グルテンフリーや低FODMAPなど、体調管理やコンディション維持のために特定の食事法を取り入れる選手もいます。
食事は「好き嫌い」ではなく、パフォーマンスの一部
試合前後のコンディション、回復、睡眠、集中力、胃腸の負担など、食事はパフォーマンスに直結する重要な要素です。だからこそ、宗教上の理由、倫理的な選択、体質、コンディショニングなど、それぞれの背景に応じた食事対応が求められます。
世界中からお客様が来る場所には、食の対応力が必要
ワールドカップには、選手、スタッフ、メディア、スポンサー、そして世界中のサポーターが集まります。
その中には、ハラール、ヴィーガン、ベジタリアン、グルテンフリー、アレルギー対応などを必要とする人がいます。つまり、ワールドカップのような国際イベントでは、食の多様性対応は「一部の人向けの特別対応」ではなく、受け入れ環境の基本になります。
当然ですが、すべての店舗がすべてに対応する必要はありません。大切なのは、何に対応できるのか、何に対応できないのかを明確にし、安心して選べる情報を用意することです。
フードダイバーシティは世界標準の受け入れ環境へ
ワールドカップは、選手のルーツが多様化し、食の選択も多様化していることを私たちに教えてくれます。
これからの観光地、飲食店、宿泊施設に求められるのは、「どこの国の人が来るか」だけで判断することではありません。大切なのは、国籍の奥にある宗教、文化、体質、ライフスタイルまで想像し、誰もが安心して食事を楽しめる環境を整えることです。
日本は直近で、2026年9月19日から10月4日まで愛知・名古屋アジア競技大会を控えています。アジア45の国と地域から選手、関係者、観客を迎える以上、食の多様性への対応は「余裕があれば取り組むもの」ではなく、開催国として整えるべき基本インフラです。