日本の情報はどこで集めるのか

食の多様化を支援するフードダイバーシティ株式会社の横山です。

シンガポールの国営メディアcna（旧Channel NewsAsia）で放送されている「Japan Hour」は、日本の美しい自然、豊かな文化、多彩な歴史、そしてグルメや人気の旅行スポットを紹介する長寿番組です。

1991年の放送開始以来、この番組は日本への関心が高いシンガポールはじめアセアンの視聴者へ日本の魅力を伝え続けています。もともと在留邦人を対象に始まったこの番組は、シンガポールの視聴者にも広く受け入れられ、今ではアジア太平洋の29カ国地域で放映されています。

番組は、日本各地の興味深い話題を取り上げ、日本文化の理解を深めると共に、訪日旅行を計画する際の情報源としても利用されています。視聴者に提供されるコンテンツは、日本の旅番組、グルメ番組、ドキュメントなど多岐にわたるもので、日本で放映されたものに英語字幕をつけて放映されています。

特に人気なのは食と観光をテーマにした旅番組です。タレントが繰り返す「おいしー」や「気持ちいいー」といったリアクションは、シンガポール人視聴者の間でも真似されるほど親しまれています。番組を通じて特に注目を集めているのは北海道で、シンガポール人による冬の北海道旅行が人気なのは、「Japan Hour」が北海道を何度も取り上げていることが影響しているのからとも言われています。

シンガポールはじめアセアンからの訪日客を呼び込みたい事業者にとっては、このJapan Hourに取り上げられることが最善策の一つであることは間違いないでしょう。ただ筆者のムスリムの友人は同番組の大ファンであるにも関わらず、番組内でハラールについて取り上げられないことについて、訪日するのが不安だと語っていました。

Japan Hour
https://www.channelnewsasia.com/japan-hour

著者

横山 真也
フードダイバーシティ株式会社　共同創業者
キャリアダイバーシティ株式会社　共同創業者
ヨコヤマ・アンド・カンパニー株式会社　代表取締役
日本と海外での複数の起業が評価され、16年シンガポールマレー商工会議所から起業家賞を受賞（日本人初）
NNA ASIA経済ニュースコラムニスト
著書に「おいしいダイバーシティ～美食ニッポンを開国せよ～」（ころから株式会社）
ビジネス・ブレークスルー大学経営学部および東洋大学国際学部 非常勤講師