「水」によって成り立つ城。ここにしかない驚きがある

今回は愛媛の「今治城(いまばりじょう)」をご紹介していきます。海水を引き入れて堀に仕立て上げる、という独特なアイデアを幹に作り上げられたこの今治城は、全国的にも珍しい「水城」の類に入る城。城そのものが水の上に浮き上がって成り立っているようなその見た目からして、普通の城とは一線を画しています。他の城では体験できないくらいにユニークな作りが隅々まで敷き詰められた今治城は、愛媛観光の際に是非とも押さえておきたい文句なしの名城です。

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新たな可能性の追求から生まれた今治城

当時関ヶ原の戦いを経て伊予半国20万石を領した藤堂高虎によって築かれた今治城。瀬戸内海沿岸の寒村であった今治を、水利の便や城下町の発展性といった可能性に注目し居城に定めました。これが功を奏し、海水を利用した広大な堀や、城内の港として国内最大級の船入を備えた海城となったのです。力の弱い砂地に築かれた石垣の崩壊を防ぐために「犬走り」というスペースを堀と石垣の間に設けるなど、見えない場所にまで多くの工夫が凝らされている奥深い城です。

天守から二の丸まで、注目ポイントが満載

今治城では、復元された天守に登ることもできます。亀山城に移築された際の資料を基に再現されたこの天守は5層6階と実に立派なもの。天守から愛媛の眺めを一望するのも面白いでしょう。
また、この城で注目したいのが二の丸の様子。今治城は城郭において多く取り入れられている「枡形虎口(ますがたこぐち)」という設計を初めて導入した城と言われています。四角い升のように入口を作り上げ、最初の門を破ったその先の門で見事に塞がれ、最終的に攻撃を受ける、という仕組みが出来上がっています。注目して見て頂きたいポイントのひとつです。

これぞ国内随一の水城!戦国時代の建築力に感じ入る

築城400年を記念して再建されたという「鉄御門(くろがねごもん)」も印象的なポイント。木部全体に頑丈に打ち付けられた鉄板は、往時の今治城にとって実に力強い防御の要でした。戦国時代の人々の建築力に驚く瞬間です。
他にも二の丸跡の東側に立っている二重櫓の「御金櫓(おかねやぐら)」は、地元出身の作家の作品を展示する美術館となっています。鎧や刀剣、古文書といった今治城ならではの貴重な常設展示に加え、随時様々な企画展も開催されるなど、こちらも高い充実度です。
見れば見るほどに戦国時代に築かれた様々なアイデア、発想力を感じさせる今治城。まさしく、これぞ国内随一の水城と言えましょう。愛媛を訪れた際には、是非とも訪れてみて下さい。

「今治城」基本情報

住所 愛媛県今治市通町3-1-3
電話番号 0898-31-9233
入場料 一般:520円
学生:260円
高校生以下または18歳未満:無料
営業時間 午前9時~午後5時
休館日 12月29日~12月31日
その他展示替など、運営上必要なとき
ホームページ https://www.city.imabari.ehime.jp/museum/imabarijo/

交通アクセス

※以下のリンクをご参照ください

交通アクセス|今治城
https://www.city.imabari.ehime.jp/museum/imabarijo/access/