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「保育園の代表の想い×プロのシェフスキル」で実現

2022年1月13日(木)、姫路市のもく保育園にて、世界一のヴィーガンレストランの称号を持つ自由が丘「菜道」の楠本勝三シェフが、当該保育園の園児全ての食物アレルギーに対応した給食を作りました。本取り組みはもく保育園の「One Table Day」として、全ての園児が同じ食卓を囲み、同じものを食べることを目的として開催されました。

One Table Dayで食事をする園児たち

開催の背景・保育園の想い

もく保育園では現在、園児のアレルギーの状況を把握した上で、食物アレルギーのあるお子さんにはアレルゲンを取り除いた『除去食』を提供しています。食物アレルギーのあるお子さんの多数が動物性(主に乳製品や卵)で、食物アレルギーは命にも関わる問題であることから、園でもアレルギーには細心の注意を払っています。また、みんなと同じものを同じように隣り合わせで食べられないという現状もあります。

もく保育園では、動物性食物アレルギーのあるお子さんも、なるべくみんなと同じものを同じように食べられる環境を整える取り組みが出来ないか考えてきました。そうしたところ、ヴィーガン食を選択する事が、動物性のアレルギーに対応できやすいと聞き、姫路市が行っていた『ヴィーガンやハラール等、世界の多様な食のルール』についての講習会に昨年参加しました。そこで姫路市公認のコンサルティング会社である、フードダイバーシティ株式会社 代表の守護彰浩氏と、ヴィーガン料理で世界一の評価を得た東京のレストラン「菜道」のシェフの楠本勝三氏と、食材を提供する株式会社グローバルの菅谷照之氏と出会い、もく保育園の現状について相談したところ、保育園の給食メニューの開発を手がけてくださる事になりました。

今後、もく保育園では月1回「ヴィーガン給食」を One Table Dayとして提供する予定です。当然、栄養的な偏りをおこさないために、しっかりと栄養士が栄養計算も行いながら実施していきます。

尚、本取り組みはヴィーガン食の導入や、ヴィーガンにおける活動を推進することを目的とは一切しておらず、園児全員が「一つのテーブルを囲む」ことを目的にした活動である旨、ご理解を頂きたく思います。

もく保育園 代表 植月カオル

アレルギーとヴィーガンの相関関係について

今回のポイント

提供されたメニューは?

もく保育園のOne Table Dayとして提供されたメニュー

・そぼろごはん
・コロッケ
・コールスローサラダ(ゆで卵風付き)
・味噌汁
・プリン

一つのテーブルを囲むために、プロのスキルが入ったポイントは2点

1点目:卵アレルギーの園児も含め、全員に「ゆで卵」が提供されたこと

ヴィーガンレストラン菜道で提供されている人気メニュー「野菜で出来た卵」を披露。通常のゆで卵と見た目だけでなく、食感、味も変わらないものをプロのスキルで再現致しました。

野菜だけで出来たゆで卵を食べる園児

2点目:卵アレルギー、乳アレルギーの園児も含め、全員に「プリン」が提供されたこと

子供が大好きなプリンですが、通常のプリンは当然卵や乳を使います。今回は菜道で提供される人気メニュー「ヴィーガンプリン」を披露し、通常のプリンと見た目だけでなく、食感、味も再現したものを園児全員が食しました。

もく保育園の給食室でプリンを作る楠本氏

それぞれの感想

植月代表「すべての園児が同じ食卓で同じものを食べるという本当に素晴らしい1日になりました。乳のアレルギーを持つ園児がプリンをお代わりしている姿は感動的でした。」

高松園長「普段野菜が嫌いな子も、全て野菜とは知らずに残さず食べていたので、野菜を積極的に食べる日としてもよさそう。」

栄養士 伊原木さん「動物性の食品を使わなくても、カロリーやたんぱく質が十分摂れる事に驚きました。何よりアレルギー児を含め園児全員が同じ給食を食べることができ、とてもよかったです。」

井上先生「ゆで卵風がめずらしく、興味があったようで、1番に食べる姿がよく見られました。どんなものなのかよく味わって食べていたように思います。」

広報 山﨑さん「ヴィーガン料理を食べたことがない子がほとんど。こんな料理もあるんだと子どもたちの食育に繋がればと思います。」

楠本シェフ「園児全員が一つのテーブルを囲むという想いに共感し、今回全力で調理させていただきましたが、私の料理人生の中でも上位にくる有意義な時間を頂戴しました。何よりも子供たちの笑顔が見ることができて本当に嬉しかったです。」

もく保育園のアレルギーデータ(参考)

卵 5名
乳 3名
ピーナッツ 2名
生トマト、キウイ 1名
スイカ 1名
りんご 1名
甲殻類 1名

調理スタッフと楠本シェフ