北京でベジタリアン市場を見てきました

皆様、こんにちは。フードダイバーシティ株式会社の山崎です。

台湾香港に引き続き北京でベジタリアン市場を調査して参りましたので、現地の様子をレポート致します。

世界のベジタリアン企業が集結

2019年11月8日から3日間、北京でベジタリアン関係の企業を集めた展示会”Veggie World”が開催されました。  

中国本土はもちろん、香港、台湾、シンガポール、アメリカ、カナダ、ドイツなど様々な国々の商品が紹介されていました。

ちなみに日本の企業、商品はゼロ。周囲の出展者からは”日本といえば魚(主にカツオ)だからベジタリアンのイメージはないね”といった反応がしばしば。一方で「日本の商品は素晴らしい」「ヴィーガンのカップラーメンがあれば是非食べてみたい」とベジタリアンのメイドインジャパンプロダクトを待ち望む声もありました。

本記事では国内の食品メーカー、飲食店、ホテル関係の皆様の今後の戦略策定に役立つような「世界のベジタリアン市場の現状」をお伝え致します。

代替肉でも「〜肉」を選べる時代

現在の国内の代替肉市場を俯瞰して見ると、多くの場合「大豆ミート」と一括りにしてしまうケースが少なくありません。一方海外は、牛肉・豚肉・鶏肉・魚肉など、様々なバリエーションが存在しています。「より多くの生活シーンに対応できるように」と時代がシフトしている現れではないでしょうか。

アメリカ発 代替牛肉”ビヨンドミート”

香港発 代替豚肉 ”オムニポーク”

アメリカ発 ヴィーガンチキンナゲット

中国で代替豚肉が注目を集める理由

先日日本経済新聞(中国、「人工肉」企業が台頭 事業本格化相次ぐ)でも取り上がれていた「オムニポーク」という代替豚肉。注目を集める背景の一つは先行して市場を開拓して来たビヨンドミートを紐解いてくと見えて来ます。先にも触れた通り、ビヨンドミートは牛肉の代替食品として誕生しました。牛肉の消費量が多いアメリカでは比較的スムーズに受け入れられたのですが、世界最大の豚肉消費国の中国ではそう簡単にはいきません。「やはり慣れ親しんだ豚肉に変わる何かが必要」ということでオムニポークが誕生したそうです。あくまで「代替」食品なので、消費者にとって日常的な何かを「代替」するという動きが今後更に強まっていくことが予想されます。また直近では豚コレラにより国内の豚肉価格が急上昇しているのも代替豚肉を後押しする要因との見方も強いです。

代替食品は肉だけじゃない!卵や乳製品も

会場でとりわけ注目を集めていたのがこちらの商品。米国発のJUSTという商品でヴィーガンの卵です(主成分は緑豆)。液体状で販売されており、炒めながらかき混ぜるとあっという間にスクランブルエッグに。また、スウェーデンのOATLYという商品はオーツ麦を主成分にしており、乳製品の代替食品として紹介されていました。卵や乳製品などの代替食品市場も今後の広まりに期待が持てそうです。

消費者も間接的にサスティナブルな取り組みに参加できる

ドイツのnu+chocというヴィーガンチョコレートのパッケージには「YEAH!YOU’VE JUST PLANTED A TREE!」の文字。NPO法人を運営しており、チョコレートの売上の一部は植林の費用にあてられているようです。消費者はnu+chocを購入することで間接的に環境保全に貢献することができるのです。

”イノベーション”という観点が重要

イベントでは「Future」「Food2.0」といった言葉が頻繁に使われていました。訪日外国人への「おもてなし」の一貫として注目を集めるベジタリアン市場ですが、ここから先は既存の概念をひっくり返す「イノベーション」という観点が重要になってくると考えています。