G7開催地で求められる食の対応とは?

日本政府は、2023年に開催される「G7広島サミット」に伴って日本全国各地で開催する閣僚会合の14の開催地を発表致しました。詳細は以下の通り。

G7サミット(主要国首脳会議)とは、フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ(議長国順)の7か国並びに欧州理事会議長及び欧州委員会委員長が参加して、毎年開催される国際会議です。G7サミットでは、自由、民主主義、人権などの基本的価値を共有するG7首脳が一つのテーブルを囲みながら、世界経済、地域情勢、様々な地球規模課題について、率直な意見交換を行います。G7サミットの日本での開催は、2023年が7回目となります。

■科学技術相会合:仙台市
■男女共同参画・女性活躍担当相会合:日光市
■内務・安全担当相会合:水戸市
■デジタル・技術相会合:群馬県
■貿易相会合:大阪府
■教育相会合:富山県&石川県(共同開催)
■保健相会合:長崎市
■労働雇用相会合:倉敷市
■農相会合:宮崎市
■気候・エネルギー・環境相会合:札幌市
■交通相会合:志摩市
■都市相会合:高松市
■外相会合:軽井沢町
■財務相・中央銀行総裁会議:新潟市

何に注意をすべき?

今回のG7では、地球規模での気候変動対策が議題に上がる予定となっておりますが、日本として会議の場で提供する食については、非常に重要な意味を持つと言っても過言ではありません。脱プラ、フードマイレージなどの問題もありますが、特に注意すべきは下記2点だと考えております。

①地域で自慢の和牛については提供注意

昨今、特に牛肉に関しては”環境負荷が高いこと”が世界の共通認識になっています。G7となると世界中からマスコミも多く入るので、「●●国の首脳がG7の場で環境負荷の高い牛肉を食べていた」というのは批判の対象になりうる可能性があり、基本的には食べるのを避けるでしょう。また日本として牛肉を提供した場合「日本は気候変動対策を理解していないのではないか」と、世界中にメッセージを伝えてしまう可能性もありますし、何よりもフードロスの可能性が高いです。

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牛肉については提供注意

②ヴィーガン対応メニューを多めに提供

①にも付随しますが、ヴィーガンメニューについては積極的に食べる首脳が多いと思います。その人がヴィーガンというライフスタイルを実践していなくても、”人目が多い場での食事”として選ばれると考えております。G7で日本各地がヴィーガンメニューをしっかりと提供した場合「さすが日本、しっかりと気候変動対策をやっている」というメッセージになります。ちなみにヴィーガンメニューについては世界の国際会議には標準的に用意されているので「事前リクエスト」は基本ないと考えた方がいいと思います。

日本らしさあふれるヴィーガン寿司

世界が注目するG7、食に関する部分のメッセージは非常に大きくなります。直前に情報を集めて焦って対応するのではなく、今から情報をしっかりと掴み、「日本として何ができるか」について時間をかけて準備していく必要があると考えております。