アジア初の政府主導制度、輸出競争力と食の多様性対応を強化
台湾の衛生福利部食品薬物管理署(TFDA)は、植物性食品に関する新たな公式認証制度を発表しました。新設される「第六類:全植物素(仮称)」に基づき、2028年1月1日から政府が発行する「公式Vegan認証マーク」が導入されます。アジア地域では初めての政府主導による制度となり、国内外から大きな注目を集めています。
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制度導入のスケジュール
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2025年8月末:意見収集の締め切り
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2025年9月末:制度予告
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2026年2月末:正式公告
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2028年1月1日:施行開始
この認証は任意表示制度として運用され、企業が希望に応じて申請可能。表示の信頼性を高めると同時に、国際的な認証制度との整合性を確保し、台湾食品の輸出競争力強化も狙います。
背景:台湾はアジア有数のベジタリアン大国
台湾は、人口の約12.3%がベジタリアン(国土交通省観光庁データより)とされ、世界的にもベジタリアン比率が高い国のひとつです。宗教的背景や健康志向に加え、食の多様性を尊重する社会的文化も浸透しており、国内には多くのベジタリアンやヴィーガン対応のレストランが存在しています。
そのため、台湾国内市場においても「Vegan認証」のニーズは高く、観光や輸出にとどまらず国内消費者に対する安心感の提供という意味でも重要な取り組みとなります。
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国際市場と整合する仕組みへ
世界の植物性食品市場は急速に拡大しており、2024年の小売市場規模は約2.6兆台湾ドル(日本円で約12.7兆円)に達すると推計されています。欧州では「V-Label」、英国では「The Vegan Society」などが国際的な基準として広く使われており、台湾の今回の制度はこうした流れに歩調を合わせる形です。
特に台湾は食品輸出大国でもあり、政府主導の認証制度を導入することで、国際取引の信頼性を高め、アジアにおける植物性食品供給のハブを目指す狙いがあります。
今後の展望
今回の政府公式「Vegan認証」導入は、台湾国内の食文化の多様性を支えると同時に、国際的なサプライチェーンにおいて強い信頼を得る大きな一歩となります。飲食店や食品メーカーにとっては、輸出や観光需要への対応だけでなく、国内のベジタリアン消費者へのアプローチにも直結する施策といえるでしょう。
台湾が打ち出したこの政策は、アジアにおけるフードダイバーシティ対応の新たなモデルケースとして注目を集めそうです。